Googleで特定のキーワード検索をした際に、関連する質問がリスト表示されることがあります。
これはPAA(People Also Ask)と呼ばれる、ユーザーの検索をサポートするための機能です。
PAAはGoogleのAIが質問を生成し、インターネット上にあるWebサイトから回答にあたる部分が引用されます。
PAAのソースとして掲載されることで、自社のWebサイトの流入数の向上につながります。
今回は、PAAの仕組みや特徴、さらに掲載されるための対策についてご紹介します。
少しでも自社のサイトを訪れるユーザーを増やしたいと考えているなら、ぜひ参考にしてください。
なお、PAAの対策を始める前に、前提知識としてSEOについて知っておくことをおすすめします。
以下の記事では、SEOの基礎知識や用語を解説しています。
関連記事:『【初心者向け】SEOの専門用語34選!マーケティングの基本を解説』
PAA(People Also Ask)とは?
PAAとは「People Also Ask」の頭文字をとった略語で、「他の検索ユーザーも行った質問」という意味です。
検索時に表示される「関連する質問」という項目のことを指します(「他の人はこちらも質問」という名称もあります)。
たとえば、以下は「筋トレ 初心者」と検索した際の画面です。
引用:『Google』
検索したキーワードに紐づいた質問がリストとして掲載されています。
上記の例だと、筋トレの初心者が疑問を抱きやすい「トレーニングする箇所」「おすすめのトレーニング方法」「注意点」「筋トレの頻度」などが挙がっています。
なお、PAAには検索語句が含まれていない質問が出現することもあります。
質問の右端にあるボタンを選択すると、質問に対する回答を閲覧できます。
引用:『Google』
回答部分の下部にはソースとなるサイトのリンクがあり、クリックすると該当のWebページに遷移します。
遷移先のページの回答に当たる箇所に直接リンクし、PAAの引用部分がラインで強調されているのも特徴の一つです。
PAAは、アメリカでは2017年から出現するようになりましたが、日本で見られるようになったのは少し期間が空いた2022年ごろです。
なお、このPAA機能は2024年5月の時点ではYahoo!の検索エンジンには導入されていません。
質問や回答が適切でない、正確でないといった場合は、右下の「フィードバック」を選択するとGoogleの専用フォームにて報告が可能です。
参考:『Google検索結果表示「関連する質問」機能とは?』
PAAの仕組みや特徴
ここでは、PAAの仕組みや特徴について、さらに詳しくみていきましょう。
また実際にGoogleでキーワード検索をして、PAAがどのように表示されるのかをチェックしてみてください。
回答のソースはWebコンテンツから
PAAの質問は、GoogleのAI機能が生成したものです。
該当のキーワードで検索をするユーザーが疑問に思うであろうと予測される内容が自動的にリスト化されます。
回答部分は、Web上にあるコンテンツのなかからの抜粋であり、おおよそ50文字〜150文字前後の端的な内容であるのが特徴です。
抜粋箇所はGoogleが判断しており、サイト運営者側で指定はできません。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
テキスト・表といったさまざまな形式がある
引用:『Google』
PAAのアンサー部分の形式は、テキストだけではありません。
箇条書きや表、画像、動画といった形式も存在します。
例えば箇条書きの場合、ページ内の見出しを抜粋して回答が生成されることがあります。
また、手順や方法などについては、ステップで表示されるケースも多くみられます。
引用:『Google』
参考:『People Also Ask(PAA)とは?採用される仕組みやSEOの対策方法』
クリックするとさらなる質問が表示される
引用:『Google』
PAAは、質問を選んで回答を開くと、さらに関連する質問が追加で表示される仕様です。
ユーザーが気になっているトピックと関連性のある情報を発見しやすくなるため、リサーチがはかどります。
なおPAAは、SERP(検索結果のページ)の「探索機能」としてカテゴライズされています。
探索機能とは、ユーザーが元の検索を拡張し、関連する情報を得るために役立つ仕組みのことを指します。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
参考:『Google検索の視覚要素ギャラリー | Google検索セントラル』
表示数は定められていない
PAAの表示数は、検索するキーワードにより異なります。
最初は3〜4程度ですが、前項でお伝えしたように、質問を開くとどんどん追加され、特に上限は定められていません。
なお、表示位置についても固定はされておらず、こちらも検索キーワードにより変わってきます。
検索結果の3〜4番目に出現するケースが多いようです。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みや表示されるための対策、取得ツールを紹介』
参考:『People Also Ask(PAA)とは?採用される仕組みやSEOの対策方法』
強調スニペットと関連している
引用:『Google』
強調スニペットとは、ユーザーの検索ワードに対する答えとして、特定のWebページの一部分を回答として表示したものを指します。
検索結果の最上部に強調スニペットが出現します。
なお、強調スニペットもPAAと同様にテキスト、箇条書き、表、画像、動画といった形式があります。
PAAで回答部分を表示させた場合、下部に「検索」という項目が表示されます。
引用:『Google』
この例の場合は、「筋トレ初心者の週の目安は?」という部分です。
クリックすると、PAAの回答と同じ内容が強調スニペットとして表示されます。
引用:『Google』
すべてのPAAで強調スニペットと同じ内容が表示されるというわけではありません。
しかし、上記のようにPAAの回答と、検索ワードで示される強調スニペットの内容が一致しているものが多くみられます。
PAAと強調スニペットの関連性についてGoogleで公式の言及はないものの、PAAのアンサーとして抜粋されるサイトは、関連するキーワードでの強調スニペットに採用されやすい傾向にあることがわかります。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
こちらの関連記事では、強調スニペットの仕組みや特徴について解説しています。
関連記事:『Googleの強調スニペットとは?表示させるためのポイント5選』
SERPについて
SERPは「Search Engine Result Page」の頭文字をとった略語で、Googleなどのサーチエンジンの検索結果ページを指します。
GoogleのSERP画面は、検索のユーザビリティを高めるための機能を充実させています。
今回ご紹介しているPAAも、SERPの機能です。
以下は、SERPの主な種類です。
SERPの種類 | 概要 |
関連する質問(PAA) | 検索キーワードに関連した質問と回答を表示する |
アンサーボックス | ユーザーの検索に対する端的な回答を表示する。強調スニペットは、アンサーボックスの種類の一つ |
バーティカル検索 | 検索ボックスの下に表示される。画像、動画などの検索カテゴリーの選択や、同時に検索されやすいキーワードの追加が可能 |
ユニバーサル検索 | 検索キーワードに対して、Webページ以外の検索結果を示す機能(画像や動画など) |
パーソナライズド検索 | ユーザーの過去の検索履歴、位置情報などをもとに、SERPの表示をパーソナライズドする機能。 |
リッチリザルト | 通常の検索結果に加え、「パンくずリスト」や「レビュー」といった情報が表示される |
ショッピングタブ | アイテム名などで検索した際に出現する商品情報。クリックすると購入ページに遷移する |
リスティング広告 | ユーザーの検索キーワードに応じて表示されるテキスト形式のWeb広告 |
オーガニック検索 | SERPにおけるWeb広告以外の部分を指す |
関連記事:『【初心者向け】SERPとは?代表的な9種類や分析方法を紹介!』
SEOの上位サイトから抜粋される
前述のように、強調スニペットに抜粋されているWebページは、PAAの回答にも採用されやすいという特徴があります。
強調スニペットは、該当するワードの検索結果の上位10位以内にあるページから選ばれることが多いため、PAAにも同じ傾向があると考えられます。
なお、Googleは基本方針とも言える「Googleが掲げる10の事実」の最初の項目で、「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と示しています。
SEOにおいても同様で、ユーザーにとってわかりやすいコンテンツ、有益な情報を盛り込んだコンテンツがPAAや強調スニペットに抜粋されているのです。
参考:『Googleが掲げる10の事実』
参考:『PAA(People Also Ask)とは?採用されるためのSEOテクニック』
SEOやWeb広告の運用にあたって、Googleが示すガイドラインを理解することが重要です。
以下の記事では、押さえておきたいGoogleの公式見解についてご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:『SEOはガイドラインに沿って運用!Googleの5つの公式見解』
PAA表示によるメリットは?
PAAは、ユーザーとサイト運営者の双方に有益な機能です。
それぞれにとってどのような利点があるのかを整理してみましょう。
ユーザーにとってのメリット
前述のように、Googleが提供するサービスは、ユーザーにとっての有益性や利便性を優先しています。
PAAは、ユーザーの検索行動をサポートする機能であり、検索ワードに応じて「ユーザーはこれも知りたいだろう」「このような疑問を持つだろう」と予測される内容を先回りして示すものです。
また、ある質問項目をクリックすれば、それに紐づく関連の質問が追加で情報されるため、PAAの内容もユーザーのニーズに合わせて展開されます。
ユーザーにとっては、手間をかけずに知りたい情報に到達できるうえ、自分の興味・関心の方向性に合わせて新たな質問が提供されていく点がメリットと言えるでしょう。
検索の工程を省けるため、効率的な情報収集が可能です。
参考:『People Also Ask(PAA)とは?採用される仕組みやSEOの対策方法』
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
関連記事:『【基礎】リッチリザルトとは?3つの効果と代表的な機能を紹介!』
サイト運営者にとってのメリット
サイトを運営する側にとってのメリットとしては、PAAに抜粋されることで自社のWebページへの流入増が期待できるという点が挙げられます。
一方で、サイトにまでアクセスしなくても必要が情報が得られてしまう「ゼロクリックサーチ」が増えるという懸念もあります。
SEO分析ツールなどを展開するAhrefs社のサイトを参照すると、SERP上でPAAを操作するユーザーは3%程度と述べられています。
ただし、一部のクエリにおいてはインタラクションに至る割合は13.6%に及ぶこともあります。(数値はBacklinko社の調査によるもの)
参考:『How to Rank in ‘People Also Ask’ Boxes and If You Should』
PAAに掲載されるためのポイント
オーガニックの検索結果一覧だけでなくPAAにも自社のWebページが掲載されることで、より多くのユーザーの目に触れる機会が得られます。
ここでは、PAAに掲載されるためのポイントを解説します。
ユーザーの疑問に対して端的に回答する
想定されるユーザーの疑問に対して、PAAの回答として平均的な50〜150文字の範囲内で簡潔に答えを示すことが重要です。
- 〇〇とは、〜〜を指します。
- 〇〇の具体的な方法は、〜〜、〜〜です。
- 初心者におすすめの〇〇は、〜〜です。
このように、主題を明確にした端的な文章を作成してください。
文章は「PREP法」というフレームワークの流れに沿って展開するのがおすすめです。
PREP法は、結論(Point)→理由(Reason)→具体例(Example)→結論(Point)の構成で文章を作成します。
この型にあてはめるだけで自然と論理的な説明ができるので、ライティングの参考にすると良いでしょう。
また、手順やステップの解説は番号を振ったリスト形式、料金の比較は表を作成するなど、情報の性質に合わせたコンテンツを用意しましょう。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みや表示されるための対策、取得ツールを紹介』
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
以下の記事でもPREP法について解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:『【初心者向け】SEOライティングで上位表示を狙うための9つのコツ』
SEO対策で検索結果の上位を目指す
前述のように、SEOで10位以内に掲載されているサイトは強調スニペットに抜粋されやすい傾向にあります。
自社のサイトやコンテンツでSEO対策を行い、上位を目指してください。
SEO対策にはさまざまな方法があります。
以下は、対策の一例です。
- 記事のタイトルは検索キーワードを含めた簡潔なものにする
- キーワードや共起語を含んで文章を作る
- キーワードを検索するユーザーが持つ疑問をコンテンツ内で解消できるようにする
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を基準とした質の高いコンテンツ作成
- 内部リンクの設置
- 他サイトからの良質なリンクの獲得
参考:『品質評価ガイドラインの最新情報:E-A-TにExperienceのEを追加 | Google検索セントラル』
参考:『People Also Ask(PAA)とは?採用される仕組みやSEOの対策方法』
こちらの関連記事では、上記の対策やそのほかの有効な方法をさらに詳しくご紹介しています。
ぜひSEO対策に役立ててください。
関連記事:『SEO施策とは?効果的な9つの内部対策と4つの外部対策を紹介』
HTMLタグで適切にマークアップする
PAAに採用されるためには、検索エンジンに対して「何が書かれたコンテンツであるのか」を正確に伝える必要があります。
そのために、Googleのクローラーが読み取るHMTLタグを使って記事を適切にマークアップしましょう。
以下を参考にしてください。
見出しタグを設定する
h1〜h6までのタグを使って、記事の見出しの階層を整理します。
通常はh1〜h4タグが使われます。
たとえばこの記事の「2.PAAの仕組みや特徴」は以下のような構造で作成しています。
<h2>2.PAAの仕組みや特徴</h2>
<h3>2-1.回答のソースはWebコンテンツから</h3>
<h3>2-2.テキスト・表といったさまざまな形式がある</h3>
<h3>2-3.クリックするとさらなる質問が表示される</h3>
<h3>2-4.表示数は定められていない</h3>
<h3>2-5.強調スニペットと関連している</h3>
<h4>2-5-1.SERPについて</h4>
<h3>2-6.SEOの上位サイトから抜粋される</h3>
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
箇条書きや表など、表示形式に合わせたタグを設定する
箇条書きはulやol(番号を振る場合)、表はtableなど、表示させたい形式にあわせてタグを設定してください。
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みと表示させるテクニックを解説』
参考:『PAA(People Also Ask)とは?仕組みや表示されるための対策、取得ツールを紹介』
Googleのポリシーに準拠したコンテンツ作成
Googleが示すポリシーに違反する内容が含まれる場合、PAAへの採用やSEOの順位に影響する恐れがあります。
Googleは、以下の内容は強調スニペットに表示されないと述べています。
- 危険なコンテンツ
- 不正行為
- ハラスメント コンテンツ
- ヘイト コンテンツ
- 操作されたメディア
- 医療のコンテンツ
- 露骨な性的描写を含むコンテンツ
- テロに関するコンテンツ
- 暴力や残虐行為
- 下品な言葉や冒とく的表現
参考:『Google の強調スニペットの仕組み | Google検索のへルプ』
自社のコンテンツがポリシーに準拠しているかどうか、見直しをはかりましょう。
まとめ
この記事を読んで、コンテンツ作成やPAA表示対策の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。