Microsoft広告は、日本では2022年にローンチされたばかりの広告プラットフォームです。
この記事では、Google広告やYahoo!広告でいうところのディスプレイ広告である「Microsoftオーディエンス広告」のメリット・配信方法などをご紹介します。
導入を検討している方やBtoBのマーケティングに効果的な媒体を探している方は、ぜひチェックしてください。
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
以下の記事は、Microsoft広告に関する基本的な情報を解説したものです。
オーディエンス広告以外の種類についても知っていただけます。
関連記事:『Microsoft広告とは?基本情報と4つの特徴を解説!』
Microsoftオーディエンス広告とは
まずは、Microsoftオーディエンス広告にどのような特徴があるのかをみていきましょう。
Microsoftオーディエンス広告は、Web広告サービスである「Microsoft広告」で使用できる配信方法の一つです。
Microsoft広告は、Google広告やYahoo!広告などの媒体と比較するとサービスを提供開始してからの日が浅く、日本版のサービスは2022年5月にローンチされました。
大きく分けると、検索エンジン「Bing」上に表示される検索広告、今回ご紹介するオーディエンス広告の2つがあります。
参考:『Microsoft広告(マイクロソフト広告)とは?特徴やメリット、仕様や注意点まで基本をご紹介』
すでにGoogle広告やYahoo!広告を運用している場合、Microsoft広告にアカウントやキャンペーンなどの情報をインポートできます。
専用の広告エディターを使用すれば、手軽にインポート作業が可能です。
エディターの導入については、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『Microsoft広告エディターで押さえておきたい4つの便利な機能』
検索広告との違い
Microsoftオーディエンス広告は、Google広告やYahoo!広告でいうところの「ディスプレイ広告」にあたる配信方法に該当します。
一方、検索広告はユーザーがサーチエンジンで検索したキーワードに関連する広告が表示されるのが特徴です。
検索広告・オーディエンス広告、それぞれを使用したマーケティングには以下の違いがあります。
- 検索広告…検索キーワードに最も適した広告の表示に重点を置く
- オーディエンス広告…個人に最も適した広告を表示するのが目的
Microsoftオーディエンス広告は、ユーザーのニーズや志向を捉え、広告と顧客のマッチングをはかります。
一方、検索広告は「このキーワードについての情報を知りたい」というニーズが顕在化したユーザーに対してアプローチを行うものです。
参考:『オーディエンスキャンペーンとは|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
Microsoftオーディエンス広告を活用するメリット
Microsoftオーディエンス広告は、ブランドイメージを守るために広告の配信先を厳選したい企業や、BtoBのサービスを提供する企業に適しています。
具体的なメリットについてみていきましょう。
- Microsoft Audience Networkの幅広い配信面に掲載される
- Microsoft AIによるアクションの見込みが高いユーザーへのアプローチ
- 多彩なターゲティングの設定が可能
- ブランドセーフティへの配慮
- BtoB商材のマーケティングに有効
Microsoft Audience Networkの幅広い配信面に掲載される
Microsoftオーディエンス広告では、Microsoft社が保有するアドネットワーク「Microsoft Audience Network」の配信面に広告の出稿を行います。
以下が、代表的な配信面です。
- MSN
- Outlook.com
- Microsoft Edge
- Microsoft広告のパートナーサイト
これらのMicrosoftが管轄するサイト内で、さまざまなユーザーに自社の広告をリーチさせることができます。
Google広告のアドネットワーク(GDN)やYahoo!広告のアドネットワーク(YDN)と比較すると提携サイトのバリエーションは少ないものの、ローンチから日が浅いこともありまだ参入企業が少ないため、同業他社との競合をできるだけ避けたい場合におすすめです。
なお、Microsoftオーディエンス広告は、複数の画像やテキストを入稿し、広告の配置に合わせて適切なサイズや文字数のものが自動的に選定される「レスポンシブ広告」という形式をとっています。
参考:『オーディエンスキャンペーンとは|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『Microsoft(マイクロソフト)広告とは?最新事例と配信面などの特徴、始め方まで解説』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
Microsoft AIによるアクションの見込みが高いユーザーへのアプローチ
Microsoft広告では、広告とユーザーの最適なマッチングを実現するために、Microsoft AIが顧客情報について学習をします。
おもに学習の対象となるのは、以下の内容です。
- ユーザーが好むコンテンツの傾向
- 検索している製品・サービス
- Web上で閲覧している内容
- 購入した商品・サービス
- LinkedInに登録されているプロフィール
このAIは、ユーザーに合わせてMicrosoftオーディエンス広告の配信をパーソナライズします。
広告に対してアクションを起こす見込みが高いユーザーへのリーチが可能です。
参考:『オーディエンスキャンペーンとは|Microsoft Advertisingヘルプ』
多彩なターゲティングの設定が可能
Microsoftオーディエンス広告では、多彩なターゲティングが可能です。
また、配信にあたってターゲティングの設定が必須となります。
ここでは、用意されているターゲティングの種類について紹介します。
- 地域
- 年齢
- 性別
- オーディエンス
- LinkedInプロフィール(会社名・業界・職種)
- 予測ターゲティング
地域
特定の地域にいるユーザーを対象に広告配信を行う設定です。
エリアは以下の範囲で指定ができます。
- 都道府県
- 市区町村
- 郵便番号、座標、ランドマーク、または特定エリアから指定された半径
「〇〇市に住んでいる人」「自社の店舗から半径2km以内の住民」といった絞り込みが可能です。
参考:『ターゲット地域を追加するための操作方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
年齢
Microsoftのアカウントに登録されたユーザー情報をもとに、年齢を指定したターゲティングを行います。
以下の範囲で指定が可能です。
- 18~24歳
- 25~34歳
- 35~49歳
- 50~64歳
- 65歳〜
- 不明
「35〜49歳に絞り込み、中堅以上の社会人に向けた広告を配信する」といった使い方ができます。
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
参考:『対象ユーザーの広告 | Microsoft Advertising』
性別
年齢と同じく、Microsoftアカウントの情報をもとにした性別のターゲティングが可能です。
- 男性
- 女性
- 不明
「女性をメインターゲットとしたスキンケアアイテムの広告」など、男女のいずれか訴求したい場合に役立ちます。
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
オーディエンス
商品やサービスに関心を持つ可能性が高いユーザーグループに広告の配信を行います。
以下のタイプから適切なものを選択し、オーディエンスを作成します。
オーディエンスタイプの一覧
オーディエンスタイプ | 概要 |
カスタムオーディエンス | 自社で保有する顧客データなどを使用する |
組み合わせリスト | いくつかのオーディエンスを組み合わせて配信する |
顧客の一致 | 顧客が共有したメールアドレスを使用して、対象となるユーザーのリストを作成する |
動的リマーケティングリスト | Webサイトで閲覧、検討、あるいは購入された商品の情報をもとに、リマーケティングを行う |
購買志向の強いユーザー | Bingでの検索やクリック、Microsoftサービスの閲覧履歴などをもとに、購入に至る可能性が高いユーザーでオーディエンスを作成する |
LinkedInプロフィールターゲティング | 「LinkedIn」のプロフィール情報をもとにしたターゲティングを行う |
リマーケティング | 自社のサイトを訪問した履歴があるユーザーに広告を配信する |
類似オーディエンス | 既存のオーディエンスと行動や属性が類似する新規顧客でリストを作成する |
参考:『オーディエンスの作成|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『顧客の一致: 独自のデータを使用して顧客を検索する|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『動的リマーケティング リスト: 製品向けリマーケティング|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『購買意向の強いユーザー: 購入を前向きに検討しているユーザーにアプローチする|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『LinkedInプロフィールターゲティング|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『類似オーディエンス: 条件の合う広範囲の顧客にアプローチ|Microsoft Advertisingヘルプ』
LinkedInプロフィール(会社名・業界・職種)
LinkedInに登録された情報をもとに広告を配信します。
以下の3種類の設定ができます。
- 会社…「Microsoft」「アリババ」のように、特定の会社の従業員をターゲットに配信する
- 業界…「金融」「報道」など、ユーザーが所属する業界を指定する
- 業種…「営業」「経理」などユーザーの業種を指定する
自社の商品・サービスの対象となる業界や職業のユーザーに広告を配信できるのがメリットです。
参考:『LinkedInプロフィールターゲティング|Microsoft Advertisingヘルプ』
予測ターゲティング
予測ターゲティングとは、広告グループを作成する際に設定できる機能です。
あらかじめ設定されたターゲティングに加え、その対象外にありつつもコンバージョンの見込みが高い潜在顧客にも配信が拡張されます。
予測ターゲティングは、以下の要素をもとに対象となるユーザーを選定します。
- 自社のランディングページや広告の内容
- ユーザーのニーズや行動の傾向
配信時に設定した予算や入札単価の範囲内に調整されるため、手軽に利用できるのも魅力です。
予測ターゲティングは、グループ作成時点ではデフォルトで機能が「オン」の状態に設定されています。
配信の対象を拡張したくない場合は「オフ」に切り替えておきましょう。
参考:『予測ターゲティング|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
ブランドセーフティへの配慮
ブランドセーフティとは、広告を適切なサイトに表示させ、ブランドイメージの毀損を防ぐための取り組みのことを指します。
どのような商品・サービスにおいても重要ですが、とくにBtoBビジネスの場合は企業間で取り引きが行われるため、ブランドイメージをしっかりと守る必要があります。
Microsoft Audience Networkは、パートナーサイトもMicrosoft社が直接審査を実施しており、ブランドの安全性確保に努めています。
参考:『ブランドセーフティとは?必要とされる理由・事例・対策をまとめて解説』
参考:『オーディエンスキャンペーンとは|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
以下の記事では、ブランドセーフティの基礎知識や企業でできる取り組みを解説しています。
関連記事:『Web広告運用で押さえたいブランドセーフティ3つの取り組み』
BtoB商材のマーケティングに有効
Microsoft広告は、BtoBのビジネスに効果的であるとされています。
その理由の一つとして、配信面にビジネスシーンで使用されるサイトが多い点が挙げられます。
「statcounter」というデータベースで調査をすると、日本のデスクトップPCで使用されているOSのシェア率はWindowsが70.77%であり、普及の大部分を占めることがわかりました。(2023年9月〜2024年8月の1年間の集計)
たとえば「Microsoft Edge」は、WindowsがインストールされているPCでデフォルトのブラウザとして設定されています。※Windows10以降
社用のPCでWindowsを利用している企業の場合、多くの従業員がMicrosoft Edgeの画面を目にする機会があります。
また前述のように、Microsoftオーディエンス広告は、ターゲティングの設定の一つに「LinkedIn」というビジネスに特化したSNSのデータを利用するものがあり、特定の企業や業界、業種に向けた訴求が可能です。
これを活用すれば、「営業マンに向けたセミナーの広告を打ち出す」「Webメディアの担当者を対象に、SEOツールの広告を配信する」といった企業向けの広告配信に効果が期待できます。
参考:『Desktop Operating System Market Share Japan』
参考:『LinkedInプロフィールターゲティング|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
Microsoftオーディエンス広告の配信の設定方法
Microsoftオーディエンス広告は、以下の流れで配信を設定します。
- オーディエンスリストの作成
- キャンペーンの作成
- 広告グループの作成
- 広告作成
- 予算と入札単価の設定
それぞれの手順をチェックしましょう。
オーディエンスリストの作成
①管理画面「ツール」>「オーディエンス」をクリック
管理画面の「ツール」→「オーディエンス」の順にクリックします。
②リストの名前とオーディエンスの種類を設定
「作成」をクリックし、リストの名前とオーディエンスの種類を決定します。
参考:『オーディエンスキャンペーンの作成方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
キャンペーンの作成
①管理画面「全てのキャンペーン」>「作成」をクリック
管理画面で「すべてのキャンペーン」→「作成」と進みます。
②キャンペーン目標を選択
キャンペーンの目標が表示されるので選択してください。
キャンペーンの目標
- コンバージョンを催促
- 潜在顧客を生成
- ブランド認知度を向上
- 製品を販売する
- アプリの販促
- スキップ
③キャンペーンの種類を選択
キャンペーンの種類で「オーディエンス」をクリックし、キャンペーン名と1日の広告予算を入力すれば完了です。
参考:『オーディエンスキャンペーンの作成方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
広告グループの作成
キャンペーンの設定を保存すると、次は広告グループの作成の画面に移ります。
ここでは、広告グループの名前と設定するターゲティングの種類を決め、予測ターゲティングのオン/オフを行います。
参考:『オーディエンスキャンペーンの作成方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
参考:『Microsoft広告のオーディエンス広告とは?ターゲティングの種類と始め方』
広告の作成
広告グループの次は、広告の作成を行います。
設定する項目は以下の通りです。
広告作成の設定項目
- 最終URL
- 短い見出し(最大15個)
- 長い見出し(最大5個)
- 広告テキスト(最大5個)
- 会社名
- モバイルURL(任意)
- 高度なURLオプション(任意)
- インプレッショントラッキングURL(任意)
- 画像(最大16枚)
記事の冒頭でお伝えしたように、Microsoftオーディエンス広告は、広告の配置に合わせて適切なサイズや文字数のものが自動的に選定される「レスポンシブ広告」という形式をとっています。
見出しやテキスト、画像のように複数設定できるものは、可能な限り上限まで登録することで、表示のバリエーションが幅広くなります。
参考:『オーディエンス広告|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『オーディエンスキャンペーンの作成方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
予算と入札単価の設定
「入札戦略」「既定の入札単価」「入札戦略の最適化に使用するコンバージョンの種類」を決定します。
必要があれば「広告のスケジュール」で配信の開始日または終了日や、曜日ごとの入札の強弱を設定し、保存をクリックすれば配信設定は完了です。
Microsoft広告の審査を経て、配信が開始されます。
参考:『オーディエンスキャンペーンの作成方法|Microsoft Advertisingヘルプ』
参考:『マイクロソフトオーディエンス広告(ディスプレイ広告)とは?特徴や掲載面、設定方法を解説』
まとめ
この記事を読んで、Microsoftオーディエンス広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、Microsoft広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
お客様のあらゆるニーズに対し分析・調査を行い最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談下さい。
監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。