「検索順位で1位を獲得していたページが圏外になってしまった」とお悩みを抱えていませんか?
上位に表示されていたページが一気に圏外になった原因として考えたいのが”カニバリゼーション”です。
今回はカニバリゼーションによるSEOへの影響について解説します。
この記事を読めば、カニバリゼーションが起きていないか発見し対策が行えるようになります。
そのため、自社サイトへのアクセスを増やしたいとお考えの方は、この記事を読んでみてください。
カニバリゼーションの前にSEO対策の基礎について知りたい方は、下記の記事も合わせて読んでみてください。
関連記事:『SEO施策とは?効果的な9つの内部対策と4つの外部対策を紹介』
Contents
SEOにおけるカニバリゼーションとは
カニバリゼーション(cannibalization)とは、マーケティング用語で「自社の商品が売れることで別の商品の売り上げが減少する現象」をいいます。
つまり、SEOに置き換えると、自社の記事が上位に表示されることで別の記事のSEO評価(クリック数やCV数など)が下がる現象をいいます。
同じキーワードを想定した記事を複数作り、検索結果上で競争してしまう現象(=共食い)をカニバリゼーションと呼ぶと覚えておくとよいでしょう。
カニバリゼーションの例
例えば、以下のように2つのページが競合されている状況を考えてみましょう。
カリバリゼーションの例
https://union-company.jp/media/seo-writing/ ←3位に表示
https://union-company.jp/media/seo-writing-tips/ ←5位に表示
「SEO ライティング」の検索結果で3位と5位を獲得している状況を指す
上記のように「検索結果ページで自社サイトの複数のページが表示されていれば、より多くの人に閲覧してもらえるのではないか」と考える方もいるでしょう。
実際に検索結果で自社サイトのページが表示されることでSEO的にも高評価を得られていることになります。
しかし、自社サイトのページが複数上位表示されてしまうと「どちらかのページからしかお問い合わせが獲得できない」「どちらかのページしかリンクを貼ってもらえない」という事態を招き、Googleからの評価が分散されてしまいます。
つまり、カニバリゼーションが発生してしまうと1つの記事が上位表示されているときより、SEOのポテンシャルを発揮できなくなってしまいます。
この場合、10位以内に表示されていたページが圏外に飛んでしまいかねません。
そのため、カニバリゼーションの問題を良く理解した上で対策する必要があります。
参考:『SEOでカニバリは危険!調べ方と対処法をわかりやすく丁寧に』
カニバリゼーションによるSEOへの影響4つ
カニバリゼーションを起こすと本来のSEOのポテンシャルが発揮できなくなると説明しましたが、具体的にどのような問題が出るのか確認しておきましょう。
結論からいうと、カニバリゼーションが発生することでSEOには以下のような影響が出てきます。
- Googleの評価が分散する
- ユーザーが混乱する
- 類似コンテンツとみなされる恐れがある
- リンクを集中させにくくなる
Googleの評価が分散する
カニバリゼーションを起こすと、以下のようなことが発生します。
- 上位表示されているページへのアクセス(クリック数)が分散する
- ページへの内部リンク・外部リンクが分散する
- 検索エンジンクローラーのリソース(クロールバジェット)が分散する
つまり、Googleによる評価が分散してしまい、 Google評価が下がってしまうことで検索順位が低下してしまいます。
検索結果ページで自社の複数のページが表示されると、検索エンジンは「どちらのページを優先して表示するべきなのか?」と判断が付かなくなります。
その結果、「このサイトは欲しい情報を簡単に取得できない」と判断され、掲載順位の低下につながるのです。
自社のページだけ順位が下がってしまった場合はカニバリゼーションを疑いましょう。
また、カニバリゼーションを起こすと検索結果の順位だけでなくクローラーにもユーザーにも悪影響を与えてしまいます。
検索結果で10位以内に入っていたコンテンツが圏外になると、クリック数が大幅に減り、ユーザーにコンテンツを見てもらえなくなる可能性もあるため注意しましょう。
参考:『SEOのキーワードカニバリゼーションとは?解消方法とおすすめツール3選!』
参考:『【SEOとキーワードカニバリゼーション】具体的な特定方法と解消方法を解説』
ユーザーが混乱する
カニバリゼーションを起こすとユーザーにも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
例えば、複数のページがある場合に「どちらのページを読めばいいのだろうか?」とユーザーが混乱してしまいます。
また、複数のページの内容に食い違いがある場合「このサイトの情報は正しくない」と思われて信頼を失ってしまう恐れがあります。
参考:『SEOにおけるカニバリゼーションとは|チェック方法や対策について解説』
類似コンテンツとみなされる恐れがある
カリバリゼーションが起こしているページは、同じ内容が記載されているケースが多いです。
コンテンツ内容が似ているものを「コピーコンテンツ」や「ミラーコンテンツ」と呼びますが、Googleから「他の記事をコピーして作成したもの」と判断されて上位表示されなくなります。
参考:『コンテンツマーケティングに影響する重複、類似コンテンツとは?』
リンクを集中させにくくなる
特定のページに外部リンクを集めることができれば「ユーザーに価値があると思われているページ」だとGoogle評価が得られやすくなります。
しかし、類似のページが複数あると外部リンクを貼る際に「どちらのページにリンクすべきか?」と悩んでしまうでしょう。
その結果、外部リンクが分散されてしまい、特定のページにリンクを集中させることができなくなります。
参考:『【徹底解説】被リンクとは?増やす方法やまだまだSEOにおいて重要な理由』
関連記事:『SEOはガイドラインに沿って運用!Googleの5つの公式見解』
カニバリゼーションが起きる原因
カニバリゼーションが起きる理由は3つあります。
- ページのタイトルが似ている
- ページのコンテンツが似ていて類似率が高い
- アンカーテキストやaltタグに似ているキーワードを設定している
参考:『SEOにおけるキーワードカニバリゼーションとは?原因と対策について』
基本的に「1サイト、1キーワード、1ページ作成する」を意識してコンテンツを作成するとカニバリゼーションが起きにくくなります。
カニバリゼーションの発見方法
カニバリゼーションを起こすとSEO評価が分散してしまい検索順位が下がるため、自社サイトを定期的にチェックするようにしましょう。
ここでは、無料で利用できる「Google Search Console」を活用したカニバリゼーションの発見方法をご紹介します。
1. Google Search Consoleにログインする
2. メニュータブから「検索結果」を押す
3. 気になるキーワードをクリックする
4.「ページ」を押して複数のページが出てきている場合はカニバリゼーションが起きている
参考:『【SEOとキーワードカニバリゼーション】具体的な特定方法と解消方法を解説』
Google Search Consoleを活用したカニバリゼーションの発見方法をご紹介しましたが、1つ1つのキーワードを確認しなければいけず地道な作業を行わなければいけません。
カニバリゼーションの発見を効率化したい場合はツールを上手く活用しましょう。
ここでは、カニバリゼーションを発見するツールをご紹介します。
検索順位を計測できる「GRC」
GRCはボタンをクリックするだけで、すべてのキーワードの検索順位を調査できるツールです。
直近の検索順位だけでなく、過去の検索順位も確認できます。
検索順位の変化から「なぜ検索順位が変化したのか」「カニバリゼーションを起こしていないのか」を判断できます。
2004年にGRCツールが提供され始めて、直観的な操作性と処理速度から、多くの人に支持されているツールです。
管理URL、検索キーワード数、上位追跡数などあら5つのプランが用意されているため、自社に見合うプランを選んでみてください。
GRCの料金体系
ベーシック:495円/月 |
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スタンダード:990円/月 |
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エキスパート:1,485円/月 |
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プロ:1,980円/月 |
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アルティメット:2,475円/月 | 無制限 |
オールインワンSEO対策ツール「Ahrefs」
引用:『SEOの被リンク分析・競合調査ツール | Ahrefs(エイチレフス)』
Ahrefsは、オールインワンSEO対策ツールです。
Ahrefsには5つの機能が搭載されています。
- 自社サイトの競合を分析する「サイトエクスプローラー」
- 自社サイトをモニタリング・最適化する「サイト監査」
- 見込み顧客が検索しているキーワードを発見できる「キーワードエクスプローラー」
- コンテンツのアイデアやリンクを発見できる「コンテンツエクスプローラー」
- 自社サイトの順位を計測できる「ランクトラッカー」
引用:『SEOの被リンク分析・競合調査ツール | Ahrefs(エイチレフス)』
Ahrefを活用してカニバリゼーションが起きていないか可視化することも可能です。
Ahrefを活用したカニバリゼーションの発見方法は、以下の動画で詳しく解説しています。
引用:『How to Find Keyword Cannibalization Issues with Ahrefs and Google Sheets [AMS-07 by Joshua Hardwick]』
機能数などにより4つのプランが用意されているため、自社に見合うプランを選んでみてください。
Ahrefの料金体系
ライト:12,500円/月 |
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スタンダード:25,000円/月 |
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アドバンスド:50,000円/月 |
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エンタープライズカスタム:要お問い合わせ |
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参考:『Ahref プランと価格』
オールインワン競合分析ツール「SEMRush」
SEMRushは世界中のユーザー1,000万人以上に利用されているオールインワン競合分析ツールです。
競合分析を軸にターゲットキーワードを発見して対策できるツールとなっています。
引用:『Semrush Blog』
SEMRushであればPosition Tracking(順位計測ツール)のキーワードでカニバリゼーションを起こしていたらタブで教えてくれます。
一目で、どのキーワードでカニバリゼーションが起きているか把握できます。
サイトの規模から3つのプランが用意されているため、自社に見合うプランを選んでみてください。
SEMRushの料金体系
Proプラン:142.95円/月 (約21,700円/月) | 個人やフリーランスなど小規模サイトの運用 |
Guruプラン:274.95円/月(約41,600円/月) | 中小企業のサイト運用※コンテンツマーケティング機能が使える |
Businessプラン:549.95円/月(約83,300円/月) | 大企業のサイト運用※APIが使える |
GRCのような検索順位チェックツールをお探しの方は、他にもツールがあります。
下記の記事では、分析業務を効率化するための検索順位ツールをご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『【SEO】検索順位ツール8選!分析&業務効率アップに役立つ機能とは』
SEO上でカニバリゼーションが起きた場合の解決方法
SEO対策した際にカニバリゼーションが起きた場合は2つの方法で解決していきましょう。
- ページを統合する
- 対策キーワードを変更する
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
ページを統合する
記事の内容が似ている場合は、1つのページに統合します。
キーワードの検索意図を改めて精査して、各ページの情報を1つのページにまとめましょう。
非公開となるページを301リダイレクト設定すれば、非リンクなどSEO上の評価を残すページに引継げます。
301リダイレクトすることで、非公開のページURLにアクセスされてもリダイレクト先のページが表示されます。
Google評価上でも顧客目線上でもリダイレクトは重要な設定のため、忘れずに行いましょう。
参考:『リダイレクトとは?設定とGoogle推奨の方法【サンプル有】』
対策キーワードを変更する
記事の内容が似ていない場合は、対策キーワードを変更しましょう。
対策キーワードを変更する場合は、ユーザーの検索意図を再調査してリライトします。
以下を工夫するだけでも効果が見込めます。
- titleタグを変更する
- descriptionを変更する
- h1タグやh2タグを変更する
- カテゴリを変更する
参考:『SEOにおけるカニバリゼーションとは|チェック方法や対策について解説』
カニバリゼーションを予防する方法
SEO対策をする際にカニバリゼーションを防止するために、事前に予防対策をしておきましょう。
ここでは、カニバリゼーションを予防する方法を3つご紹介します。
キーワードマッピングを作成する
引用:『OMUSUBI』
SEO対策をする前にキーワードマッピングを作成すると、カニバリゼーションが予防できます。
キーワードマップは特定のキーワードにおける関連語をマインドマップのように見える化した図です。
SEO対策するキーワード、関連キーワードを定めておき、対策したかどうかのチェックをしておけば、カニバリゼーションが予防できます。
そのため、ブログやオウンドメディアのコンテンツを作成する前にキーワードマッピングを作成しておきましょう。
キーワードマップツールを使用すれば、簡単に作れます。
参考:『キーワードマップの作り方!無料のマッピングツールも徹底紹介』
1サイト1ページ1キーワードに絞り込む
コンテンツを作成する場合は、1サイト1ページ1キーワードに絞ることが大切です。
まず、1ページに対して対策すべきキーワードは1つに絞り込みましょう。
なぜなら、1つに絞り込んだ方が、ユーザーが欲しい情報を取り出しやすくなるためです。
複数のキーワードを対策するために、情報を網羅すると、ユーザーが欲しい情報がどこに書いてあるか探せません。
また、1サイトに同じキーワードで対策したページがあると、カニバリゼーションを起こします。
クローラーやユーザーがどちらのページを見るべきか悩んでしまうでしょう。
そのため、1サイト1ページ1キーワードに絞り込んでコンテンツを作成することが大切です。
参考:『1ページ1キーワードに絞る理由について』
類似率や一致率を確認する
異なる対策キーワードを設定したにも関わらず、記事の類似率や一致率が高くなってしまう恐れがあります。
類似率や一致率が高いページを複数作るとカニバリゼーションを起こしてしまいます。
そのため、ページを作成したらCopyContentDetectorなどを活用して類似率、一致率してからアップロードするようにしましょう。
CopyContentDetectorは、テキストをオピペしてボタンを押すだけで類似率と一致率を確認できます。
参考:『【CCD】コピペチェックツールで毎記事コピペ率確認!一致率の目安|引っかかる原因|回避法7選』
SEO対策における記事の作成方法を振り返りたい方は、下記の記事を読んでみてください。
関連記事:『【初心者向け】SEOライティングで上位表示を狙うための9つのコツ』
実際にSEOカニバリゼーションを解消した事例
最後に、マーケティング会社GEO CODEでカニバリゼーションを解消した事例をご紹介します。
同社のクライアントであった日本児童教育専門学校では対策したいキーワードに対して、複数のページが検索に引っ掛かる状態となっていました。
1つ目のページが3位、2つ目のページが10位とカニバリゼーションを起こしていたのです。
そこでタグ周りの見直し・内部リンクの集中などの対策でカニバリゼーションの解消をしたところ、検索順位の平均が10位台から3位に上げることができました。
表示したい記事を1本化し、有意義なコンテンツに改善したことでGoogle評価を上げることができました。
参考:『【業界別】SEOの成功事例5選!具体的施策と成功ポイントを解説』
参考:『日本児童教育専門学校様の場合』
まとめ
カニバリゼーションによるSEOへの影響、起きる原因や解決方法、予防方法までご紹介しました。
ぜひ、この記事を読みながら、カニバリゼーションの問題を解決してみてください。
また、この記事を読んでも「自社サイトのSEO対策が難しい」「サイト運用するリソースが足りない」という場合はWebサイト運用を委託するのも手段の1つです。
株式会社Unionでは、Webサイト制作をはじめとするデジタルマーケティング全般の相談を承っています。
SEO対策でサイトアクセスを伸ばした実績を豊富に持っており、日々、知識のアップデートも行っています。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。