SEOやリスティング広告で対策をするキーワードを選定する際、該当する語句に対して、ユーザーからの関心がどの程度集まっているのかを見極めることが重要です。
関心度を測る一つの方法として、Googleをはじめとする検索エンジンでの「月間検索ボリューム」の調査が挙げられます。
関心を持つユーザーが極端に少ない、つまり検索数が少ないキーワードの対策に時間や費用をかけすぎないことはもちろんですが、競合性の高いキーワードに対しても同様に注意が必要となります。
この記事では、月間平均検索ボリュームがどういったものなのか、また調査の方法について解説します。
SEO対策やリスティング広告の運用にぜひ役立ててください。
以下の記事では、SEOの施策とリスティング広告運用の違いをご紹介しています。
関連記事:『5分でわかるSEM!SEOとリスティング広告の違いと使い方を解説』
月間平均検索ボリュームとは?
冒頭で述べたように、SEOやリスティング広告などの検索エンジンを活用したマーケティングの施策では、検索キーワードの需要がどの程度あるのかを知ることが大切です。
ここでは、月間平均検索ボリュームが何を指しているのかをみていきましょう。
月間でキーワードが検索される回数を指す
「月間平均検索ボリューム」とは、特定のキーワードがGoogle、Yahoo!などのサーチエンジンで月間に何回検索されたのかを示す指標です。
検索ボリュームの数値が大きいほど検索されている回数が多いため、ユーザーからの関心度が高いと考えることができます。
一般的な検索エンジンとしては、Google、Yahoo!、Bingなどが挙げられます。
日本国内での検索エンジンのシェア率は、Googleが78.24%、Yahoo!が9.77%、Bingが10.63%です。(2023年6月〜2024年5月の集計)
日本ではおよそ8割ほどのユーザーがGoogle検索を利用していることになるため、当記事でもGoogle検索を主軸に説明を進めます。
参考:『statcounter』
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
月間平均検索ボリュームを調査する目的は?
Googleをはじめとするサーチエンジンでの月間平均検索ボリュームの数値は、以下の施策に役立てることができます。
SEO対策
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略語です。
自社のWebサイトやコンテンツを検索エンジンの上位に表示させるための取り組みをSEO対策といいます。
オーガニック検索で1位に表示されているサイトの平均的なクリック率は39.8%、2位は18.7%、3位は10.2%という調査データがあり、上位に表示されるほど閲覧される可能性が高まります。
検索ボリュームが見込めるキーワードを見つけ出して上位に表示させることで自社のWebサイトへの流入数を増やし、ひいてはコンバージョン(申し込みや購入)へとつなげるのがSEO対策の目的となります。
参考:『Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024』
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
SEO対策の詳細やより具体的な方法については、以下をチェックしてみてください。
関連記事:『SEO施策とは?効果的な9つの内部対策と4つの外部対策を紹介』
リスティング広告
リスティング広告とは、Googleなどの検索結果ページの上部にある枠に配信されるテキスト広告を指します。
検索されたキーワードに対応する広告が表示されるため、自社のユーザーのニーズに合うキーワードや、ある程度の検索ボリュームが見込めるキーワードを選定することが重要です。
月間平均検索ボリュームを参考にすることで、キーワードに関連する情報の需要や競合性を測ることができます。
Google広告の場合、最上部のリスティング広告枠に表示された場合の平均的なクリック率は2.1%、2番目の枠だと1.4%という調査データがあります。
参考:『Google Click-Through Rates (CTRs) by Ranking Position in 2024』
リスティング広告の仕組みや運用をはじめるためのステップについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:『検索連動型広告とは?仕組みと運用開始までの12のステップを解説』
市場調査
月間平均検索ボリュームのデータは、Webマーケティングの一環として、商品・サービスの開発や企画に関する市場調査でも活用することができます。
自社が取り扱いを検討しているカテゴリーや商材について、ユーザーがどの程度関心を向けているのかを確認したり、比較したりする際に役立ちます。
たとえば、「ダイエット」に関する企画を立ち上げるにあたり、候補の題材として「スポーツジム」と「サプリメント」の2つが挙がっていたとします。
「aramakijake.jp」というツールを使用して、それぞれの推定される検索ボリュームを確認してみましょう。
「ダイエット ジム」の検索結果
引用:『aramakijake.jp』
「ダイエット サプリメント」の検索結果
引用:『aramakijake.jp』
「ダイエット ジム」の月間平均検索ボリュームはGoogleとYahoo!を合わせて8,100、「ダイエット サプリメント」は60,500という数値が示されており、より多く検索されているのは後者であることがわかりました。
このように、市場調査の一環として簡易的にニーズの規模感を推し測る際にも月間平均検索ボリュームが利用できます。
参考:『月間平均検索ボリュームの目安【少ない多いは関係ナシ!?】』
参考:『aramakijake.jp』
以下の記事では、市場分析の方法を解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:『【初心者向け】市場分析のやり方とは?6種類の手法と事例を紹介』
月間平均検索ボリュームによるキーワードの区分
月間平均検索ボリュームの数によって、キーワードはスモールワード・ミドルワード・ビッグワードの3つに区分されます。
ここでは、それぞれの規模や特徴についてご説明します。
スモールワード(検索数1,000以下)
スモールワードとは、【月間平均検索ボリューム数が1,000以下】のキーワードを指します。
単一よりも、2語または3語を組み合わせて検索される傾向にあります。
なお、検索ボリュームが少ない3つ以上のキーワードを組み合わせたものは「ロングテールキーワード」と呼ばれます。
立ち上げたばかりのWebサイトでは、コンテンツ数が少ない、ドメインパワーが弱いといった理由で、検索数の多いキーワードで上位表示を狙うのは至難の業です。
そこで、ロングテールキーワードでの上位表示を目的とした記事を大量に作成することで、サイトへの流入増を目指すという方法(ロングテールSEO)を取ることがあります。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
ミドルワード(検索数1,001〜9,999)
ミドルワードとは、【月間平均検索ボリュームが数が1,001〜9,999】のキーワードを指します。
スモールワードと同様に2語または3語で検索されやすい傾向にあります。
検索ボリューム数が少ないスモールワードやミドルワードで検索をするユーザーは、該当するカテゴリーに関してニーズが明確であるといえるでしょう。
これらのワードからサイトに流入したユーザーをスムーズにコンバージョンに導くための良質なWebページやコンテンツの作成が必要です。
ミドルワードは、スモールワードと比較すると検索ボリュームが多く、上位に表示された際はより多くの流入が見込まれるため、対策は欠かせません。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
ビッグワード(検索数10,000以上)
ビッグワードは、【月間平均検索ボリュームが数が10,000以上】のキーワードです。
たとえば「ダイエット」「筋トレ」「英会話」「転職」「海外旅行」のように単一で検索されやすい単語や、それらを組み合わせた2語を指します。
検索ボリュームが大きいため上位表示ができれば多くの流入が見込めますが、その分競争率が高くなります。
ビッグワードで上位表示を獲得するには、コンテンツの質や量はもちろん、サイトのドメインパワーも必要です。
ドメインパワーには被リンクやドメインの年数なども考慮されるため、立ち上げたばかりのWebサイトの場合は、ロングテールSEOを着実に行うところからスタートすることをおすすめします。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
参考:『ドメインパワーの目安(平均)とは?上げ方・被リンク獲得手法を解説』
ビッグワードの対策に力を入れたい場合は、ぜひ以下のコンテンツを参考にしてみてください。
関連記事:『【SEO】ビッグキーワードとは?押さえておきたい3つのポイント』
月間平均検索ボリュームを調べるためのツール
月間平均検索ボリュームを調べるためには、専用のツールを使用する必要があります。
ここでは、代表的なツールをピックアップしてご紹介します。
Googleキーワードプランナー
引用:『Googleキーワードプランナー』
「Googleキーワードプランナー」は、Google広告の管理画面に搭載された、月間平均検索ボリューム数を計測できるツールです。
調べたいキーワードを入力すると、月間平均検索ボリューム数や過去1年間の検索数の推移がわかるだけでなく、他の語句と組み合わせたキーワードの候補を調査することができます。
そのため、新たなSEOの対策キーワードや、リスティング広告で入札するキーワードをリサーチする際に活用が可能です。
なお、調査キーワード・キーワード候補については、検索ボリューム数に加えて以下の情報も表示されます。
- 3ヶ月の検索数の推移(パーセンテージ)
- 前年比の推移(パーセンテージ)
- リスティング広告における競合性(高・中・低)
- 広告インプレッションシェア
- ページ上部に掲載された広告の入札単価(定額帯/高額帯)
- 競合性(インデックス値)
- オーガニック検索の平均掲載順位
- オーガニック検索のインプレッションシェア
キーワードプランナーは、Google広告のアカウントを取得し「エキスパートモード」に設定をすれば、広告を出稿していなくても利用できます。
ただし、広告を運用していない状態で検索ボリュームを調査した場合、おおまかな数値(100〜1,000、1,000〜1万、1万〜10万 のような形式)しか表示されません。
細かい数を把握したい場合は、少額で出稿をしてみることをおすすめします。
参考:『Googleキーワードプランナー』
参考:『【最新】5分でわかるGoogleキーワードプランナーの使い方、無料でできること』
Googleキーワードプランナーの詳しい操作方法、便利な使い方については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:『Googleキーワードプランナーの使い方とは?5つの便利機能を解説』
aramakijake.jp
引用:『aramakijake.jp』
「1-2-3.市場調査」の項目でも登場した「aramakijake.jp」は、キーワードの月間平均検索ボリューム数を調査できる無料ツールです。
GoogleとYahoo!の2つの検索エンジンでの数値が表示されます。
GoogleとYahoo!それぞれの推定の月間検索ボリュームに加え、各サーチエンジンの上位50位までのサイトのアクセス予測数もチェックが可能です。
登録不要の簡易的なツールですが、手軽に検索ボリュームやアクセス数を調べたいときに便利です。
参考:『aramakijake.jp』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
ahrefs
引用:『ahrefs』
「ahrefs(エイチレフス)」は、月間平均検索ボリュームの調査をはじめ、さまざまな機能が搭載されたSEO分析ツールです。
SEOの対策キーワードに関しては、検索ボリュームがわかるだけでなく、上位表示の難易度の調査や流入が期待できるキーワードの発見などにも役立ちます。
そのほか、SEOに活用できる一例として、下記が挙げられます。
- 競合サイトで流入が多いページがわかる
- 自社サイトと競合サイトの日々の検索結果の順位変動をチェックできる
- 悪質な被リンクが発生した際に、速やかにアラートされる
- 特定のキーワードにおいて、SNS上で話題のコンテンツを発見できる
なお、ahrefsは有料のツールであり、月額38,400円のスタンダードプランをはじめとする4つのコースが用意されています。
参考:『ahrefs』
以下の記事では、さまざまなSEOツールをご紹介しています。
効率的にSEO対策を行いたい方は、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:『【SEO】検索順位ツール8選!分析&業務効率アップに役立つ機能とは』
キーワードファインダー
引用:『KEYWORD FINDER』
「キーワードファインダー」は、キーワードの選定や記事作成、サイト全体の管理を一元化できるコンテンツSEOツールです。
特定のキーワードに関連する語句の検索ボリュームや上位表示の難易度などを自動で取得できるほか、ユーザーのニーズを把握するためのキーワードマップの生成や、売り上げに繋がったキーワードの確認など、多彩な機能が用意されています。
なお、キーワードファインダーも有料ツールであり、月額50,000円のスタンダードプランをはじめ、登録できるサイト数や管理できるキーワード数に応じた3つのプランがあります。
参考:『KEYWORD FINDER』
キーワードの検索ボリュームをSEOに活かすポイント
キーワードの検索ボリュームが把握できたら、どのキーワードを選定し、どのように対策を行うのかを決定しましょう。
ここでは、SEO対策としてキーワードを選定する際のポイントを解説します。
- サイトの方向性を定める
- スモールワードから対策をはじめる
- コンテンツの順位やコンバージョンの貢献度をチェックする
サイトの方向性を定める
まずは、サイト全体の方針を定めることが大切です。
コンテンツを作成するたびに毎回キーワードの選定を行っていては、方向性がぶれてしまいます。
SEO対策をはじめる際に計画しておきましょう。
- 対象とするユーザー
- 自社のサイトでユーザーのどんな問題を解決し、どんな行動を促すのか
上記を固めたうえで、まずは軸となるビッグワードを選んでください。
なお、ユーザー像を明確にするためには、ペルソナを作り込むのがおすすめです。
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザー像を指します。
年齢や性別、職業などの基本的な部分だけでなく、趣味や悩み、交友関係など細部に渡って人物像を明確にしましょう。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
以下の関連記事では、ペルソナ設定の方法や手順を解説しています。
あわせてご覧ください。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
スモールワードから対策をはじめる
主軸となるキーワードが定ったら、次はそれに関連するキーワードをピックアップしましょう。
調査には、前項でご紹介したGoogleキーワードプランナーやキーワードファインダーなどを活用すると効率的です。
選定したビッグワードをもとにからスモールワードを洗い出してコンテンツを作成し、ロングテールSEOを実施します。
記事の数を増やしながら、徐々にミドルワード→ビッグワードとコンテンツの作成に着手してください。
ビッグワードでいきなり上位を獲得することは難しい場合が多いですが、スモールワードやミドルワードの記事に内部リンクを貼り、そこから流入を促すことは可能です。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『SEO対策の検索ボリュームの目安は?対策方法と調べるツールを解説!』
コンテンツの順位やコンバージョンの貢献度をチェックする
サイト上でコンテンツの公開が完了したら、効果測定を行います。
順位の遷移はもちろんですが、コンテンツを通してコンバージョンが獲得できた数なども確認してください。
効果が出ていないコンテンツについては、検索結果の上位サイトや、自社サイトでコンバージョン率の高いページなどを参考に、テコ入れを行います。
記事の作成やブラッシュアップを繰り返すことで良質なコンテンツを蓄積し、長期的な目線でドメインパワーを強めていきましょう。
参考:『Googleの月間検索ボリュームとは?データを生かしたキーワード選定方法』
参考:『ドメインパワーを上げる9つの方法を解説!スコアの目安や調べ方とは?』
ドメインパワーを上げる方法については、以下の記事でも取り上げています。
関連記事:『SEOのドメインとは?ドメインパワーを上げる5つの方法を解説』
まとめ
この記事を読んで、月間検索ボリュームの調査や活用が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。
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