日本での検索エンジンのシェア率76.6%を誇るGoogle。検索エンジンだけではなく、リスティング広告やディスプレイ広告をはじめとするWeb広告を幅広く手がけています。
参考:『StatCounter『Search Engine Market Share Japan』』
そんなGoogle広告には「Google Partner」と呼ばれる認定制度があることをご存知でしょうか。
Googleが提供する広告運用の支援サービス「Google Partnersプログラム」に参加し、定められた条件を満たすことで取得が可能です。
今回は、Google広告の運用をまかせる広告代理店を選ぶ際の判断材料にもなる、Google Partnerについて解説します。
なお、リスティング広告をはじめとするWeb広告を自社で管理するのか、代理店に依頼するのかを検討している場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:『リスティング広告【自社運用・代理店運用】を4つの切り口で解説!』
Contents
Google Partnerとは?
Google Partnerとは、Google Partnersプログラムに参加している企業を指します。
Google Partnersプログラムは、Googleが設けた認定制度です。
Google広告の運用を行う広告会社が認定の対象となります。
ここでは、Google Partnerの概要や、認定を取得することで得られる特典についてみていきましょう。
Google広告の認定制度
Google広告が提供する「Google Partnersプログラム」は、広告アカウントの管理・運用を行う代理店などを対象にさまざまなサポートを提供しています。
このプログラムに参加すると、最初は「Member」というランクに登録されます。
しかし、Googleが定めた基準に達することで「Google Partner」あるいは「Premier Partner」の認定を受けることができるのです。
参考:『Google社『Google Partners プログラムについて』』
認定を受けることで、自社のWebサイトやマーケティング資料にGoogle認証バッジを表示できたり、認証を受けたパートナーでないと閲覧できないレポートを入手できたりと、さまざまな特典を得られます。
なお、Google PartnerよりもPremier Partnerの方が認定の難易度が高く、得られる特典も豊富です。
以下の表では、Google Partner、Premier Partnerの特典についてまとめています。
Google Partnersプログラムの特典(ランク別)
特典のカテゴリー | 特典内容 | Google Partner | Premier Partner |
教育とインサイト | トレーニングと認定資格 | ○ | ○ |
消費者インサイトのレポートの閲覧 | ○ | ||
新サービスのベータ版の利用 | ○ | ||
アクセスとサポート | アカウントと技術的問題に関するサポート | ○ | ○ |
エグゼクティブ向け機能の利用 (招待されたユーザーのみ) | ○ | ||
専任のアカウントサポート (招待されたユーザーのみ) | ○ | ||
評価と報酬 | コンテストへの参加と報酬の獲得 | ○ | ○ |
プロモーション特典の獲得 | ○ | ○ | |
Google Partnerバッジの取得 | ○ | ○ | |
ディレクトリに会社情報を掲載 | ○ | ○ | |
Premier Partner Awardsの対象 | ○ |
参考:『Google社『Google Partners プログラムの特典』』
なお、いずれかの認定を取得していないアカウント(Member)については、「トレーニングと認定資格」「アカウントと技術的問題に関するサポート」「コンテストへの参加と報酬の獲得」のみ利用できます。
Google Partnerの認定がなくても広告運用は可能
Google広告は、広告アカウントを作成すれば誰でも出稿が可能です。
Google Partnerでなくても広告を運用できますが、認定を受けることでGoogleが設けた運用の水準を満たしているという証明になります。
詳細は後述しますが、評価基準として広告運用の実績や運用金額、知識の習得の度合いなどがあげられます。
Google広告運用の実績や知識レベルをわかりやすい形で示せるのは、広告代理店にとってはメリットです。
代理店に依頼する企業側でも、ある程度の広告知識があると運用がスムーズになります。
Google広告についての基礎知識を学ぶなら、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:『Google広告6種類を解説!それぞれの特徴やメリットもご紹介』
Google広告の市場規模
Googleをはじめ、Yahoo!、Meta(Facebook広告、Instagram広告)、X(旧Twitter)など、Web広告を出稿できるプラットフォームは多岐にわたります。
2022年のGoogle社の広告収入はおよそ2,245億ドル、次いで規模が大きいMeta社はおよそ約1,136億ドルです。
数々のWeb広告のなかでもGoogle広告は世界最大の規模を誇ります。
参考:『総務省『令和5年版 情報通信白書』』
記事の冒頭でも触れたように、国内における検索エンジンのシェア率もGoogleが大部分を占めています。
WebマーケティングやWeb広告での施策を行う際、シェアが大きいGoogle広告に精通しているというのは、代理店を選ぶ判断基準の一つになるでしょう。
Google Parterの認定条件
Google Parterに認定されるための基準として、Googleの公式では示されているのは実績・利用額・認定資格の3つです。
ここでは、各基準の詳細を解説します。
なお、これらの基準を満たしているかどうかは毎日チェックされます。
運用の実績
広告代理店がGoogle Parterの認定を受けるための基準として、「実績」が挙げられます。
クライアントが成果をあげられるようGoogle広告のキャンペーンの有効な設定を行い、最適化していることがGoogleから認められる必要があるのです。
そのためには、Google広告クライアントセンター(MCC)アカウントで、最低でも70%の最適化スコアを達成することが条件付けられています。
参考:『Google社『クライアントセンター(MCC)アカウント:Google広告MCCアカウントについて』』
最適化スコアとは
引用:『Google社『最適化スコアについて』』
最適化スコアは、Google広告アカウントの設定がどの程度最適化されているのかを0〜100%のパーセンテージで表します。
スコアの表示に伴い、より最適化をはかるための提案や、それを実行した際のスコアへの影響が示されます。
なお、最適化スコアはリアルタイムで算出されるのも特徴です。
スコアは以下の要素で決定付けられます。
- 統計情報
- 設定
- アカウントとキャンペーンのステータス
- 利用可能な最適化案の効果
- 最近の最適化履歴
Google Parterの認定に必要な70%を下回っている場合、まずは最適化案を実行してみると良いでしょう。
参考:『Google社『最適化スコアについて』』
広告の利用額
Google広告に使用している金額も、Google Partnerに認定されるための要件の一つです。
MCCアカウントにおいて、傘下のアカウント全体の過去90日の期間で利用額が常時10,000米ドル(日本円でおよそ151万円)を超過しなければなりません。
基準の金額を消費している=積極的にGoogle広告を運用していると見なせます。
このことから、Google Partnerの認定を保有する代理店は、Google広告の運用実績が一定以上あると判断できます。
認定資格の取得
Google広告の仕組みや特徴について熟知していることも、Google Partnerに認定されるために必要です。
認定の要件として、Google広告の認定資格の取得が定めされています。
- 過去90日の期間において、500米ドル以上のキャンペーン費用が発生した広告サービス(検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告、アプリ広告)の認定資格の取得者が1人以上いる。
- アカウントマネージャーのうち50%以上が、Google広告の認定資格を取得している。
以上が要件となります。認定資格の種類や詳細については、後述します。
参考:『Google社『Google PartnerまたはPremier Partnerのステータスを得る方法』』
Premier Partnerの認定条件
Google Partnerよりも上位のランクであるPremier Partner。
選出されるためには、Google Partnerの基準を満たす必要があります。
加えて、国内でGoogle Partnersプログラムに参加する代理店の上位3%に入ることで認定を受けられるのです。
なお、この評価は年に1回実施されます。ここでは、上位3%が決定される評価基準について解説します。
既存クライアントの成長率
既存のクライアントの成長をサポートできているかどうかを判断されます。
判断材料は、Google広告の利用額の前年比および、既存クライアントの利用額です。
新規クライアントの獲得率
新規クライアントの利用につなげられているかどうかも要件の一つです。
Google広告の利用額の前年比および、新規クライアント(Google広告利用がはじめて)の利用額によって決定されます。
クライアントの維持率
クライアントの成長を促進したり、新規の導入につなげるだけでなく、Google広告の利用を維持できているかどうかも重要です。
利用額が多いクライアントの維持率によって判断されます。
利用するサービスの多様化
Googleには、さまざまな形態の広告がラインナップされています。
リスティング広告以外にも、多様な広告を活用できているかどうかも要件の一つです。
以下の広告の利用額の割合が、年ごとに算出されます。
- YouTube広告
- ディスプレイ&ビデオ360
- ディスプレイ広告
- アプリインストール広告
- ショッピング広告
年間の出稿金額
Google広告またはGoogleマーケティングプラットフォームへの投資額です。
MCCアカウントの傘下にある子アカウント全体の利用額が、年ごとに算出されます。
有料・無料の2つのプランがあります。
Premier Partnerの各評価については、基準値が設定されているものではありません。
プログラムに参加する国内のGoogle Partnerのなかで、相対的に評価されるのが特徴です。
Google Partnerに認定されたうえでPremier Partnerに求められる要件を満たさなければならず、上位3%という指標からも難易度の高さがうかがえます。
Google Partnersのサイトで確認をしたところ、日本国内でのPremier Partnerの登録数は94社でした。(2023年11月時点)
参考:『Google社『Take your marketing to the next level with a Google Partner』』
利用額が条件として挙げられているため、Premier Partnerの認定を取得するにあたっては使用できる予算やクライアント数が多い大手の広告代理店が有利な傾向にあります。
参考:『Google社『GooglePartnerまたはPremierPartnerのステータスを得る方法』』
参考:『株式会社NTTドコモ『Googleマーケティングプラットフォームとは?特徴や主要機能を解説』』
Googleの認定資格
引用:『Google社『スキルショップ』』
Google Partnerの条件としても挙げられている、Google広告の認定資格。
「スキルショップ」と呼ばれる、Googleのプラットフォームを通して理解度のチェックや認定試験の受験をします。
スキルショップでは、各認定資格のページに事前に知識の習得ができる学習用パートが用意されています。
認定を受けられる資格は以下の通りです。
- Google広告「検索広告」認定資格
- Google広告「ディスプレイ広告」認定資格
- Google広告の動画広告認定資格
- AIを活用したショッピング広告認定資格
- Google広告「アプリ広告」認定資格
- Google広告「検索広告」プロフェッショナル認定資格
- Google広告の測定認定資格
- Google広告クリエイティブ認定資格
- AIを活用したパフォーマンス広告の認定資格
- オフライン販売促進の認定資格
このなかで、Google Parter認定の要件に含まれるのは、Google広告「検索広告」認定資格、Google広告「ディスプレイ広告」認定資格、AIを活用したショッピング広告認定資格、Google広告「アプリ広告」認定資格です。
各認定資格の詳細をみていきましょう。
Google広告「検索広告」認定資格
この認定を取得すると、Googleの検索広告(リスティング広告)についての知識があることが認められます。
- 検索キャンペーン(リスティング広告)の作成、最適化についての専門知識がある
- スマート自動入札、オーディエンスやソリューションなどの自動化ソリューションを活用し、マーケティング目標達成のためにキャンペーンの成果を上げることができる
参考:『Google社『Google広告「検索広告」認定資格』』
Google広告「ディスプレイ広告」認定資格
ディスプレイ広告についての理解度や実践的なスキルがあることを示します。
- ディスプレイ広告への投資から、最大限の成果を得るために必要な専門知識がある
- 戦略を立案してキャンペーンを作成し、特定のマーケティング目標を達成することができる
参考:『Google社『Google広告「ディスプレイ広告」認定資格』』
Google広告の動画広告認定資格
動画広告に関連する知識や理解度を証明します。
- YouTubeおよびGoogleの動画広告ソリューションで成果を獲得するための知識がある
- 動画広告のソリューションを通して認知度を獲得したり、比較検討やアクションを促したりするためのキャンペーンを実践できる
参考:『Google社『Google広告の動画広告認定資格』』
AIを活用したショッピング広告認定資格
AIを活用したショッピング広告を効果的に運用できることを示します。
- AIを活用したショッピング広告を運用するための知識がある
- リーチとコンバージョンを最大化するP-MAXキャンペーン、ショッピングキャンペーンを作成し、最適化することができる
参考:『Google社『AIを活用したショッピング広告認定資格』』
こちらの記事では、1つのキャンペーンからGoogleの幅広い広告枠に配信が可能なP-MAXキャンペーンについてご紹介しています。
関連記事:『Google広告P-MAXキャンペーンとは?機能と入稿の5ステップを解説』
Google広告「アプリ広告」認定資格
Googleのアプリ広告とは、アプリのインストールを促すことを目的としています。
この認定資格では、アプリ広告を適切に運用できることを示します。
- アプリキャンペーンを作成し、ビジネスに活用するための知識を習得している
- キャンペーンを高度に最適化するための基礎知識がある
参考:『Google社『Google広告「アプリ広告」認定資格』』
以下の記事では、Googleの認定資格の内容についてより詳しく解説しています。あわせてこちらもご覧ください。
関連記事:『Google広告認定資格とは?8種類の検定と取得のメリット』
Google Partner認定の代理店を選ぶメリット
Google Partnerの認定を受けている代理店は、Webサイトなどに認定バッジを表示しています。
Web広告運用の委託先として認定の代理店を選ぶメリットについてみていきましょう。
最新情報が得られる
認定代理店は、Google社が提供する最新情報をいち早く受け取れます。
また、認定を受けた代理店のみが閲覧できる消費者インサイトのレポートでも、情報の習得をします。
Web広告は新しい技術の導入やアップデートなどがスピーディーに行われるため、最新情報にアンテナを張っておくことが重要です。
Google広告の委託先が認定代理店であった場合、そういった新情報や新しいシステムなどをふまえて運用してもらえるのは大きなメリットと言えるでしょう。
運用のノウハウを持っている
前述のように、Google Partnerの認定を受けるためには「MCCアカウントで、最低でも70%の最適化スコアを達成している」「過去90日間の利用額が常時10,000米ドル米を超過しなければならない」といった条件があります。
このことから、Google Partnerの認定を受けた代理店は、アカウントを最適に運用する方法を把握しており、一定以上の費用を使って出稿しているため実績も豊富であるといえます。
ノウハウを持った代理店に依頼したい場合は、Google Partnerの認定代理店を選ぶと良いでしょう。
専門的な知識を持っている
Google Partnerの要件としてGoogle広告の認定資格取得が挙げられており、認定された代理店は一定以上の知識を持っています。
なお、スキルショップでの学習や認定資格の取得は無料でできるため、Google Partnerを目指す代理店だけでなく、企業のWebマーケティング担当者にとっても有益です。
Googleに特化した知識を身につけることで、代理店とのミーティングや施策策定がよりスムーズになります。
以下の記事では、Googleのリスティング広告を扱う広告代理店をご紹介しています。
Google Partnerに認定されている会社もピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『Google広告代理店!運用代行に強いおすすめ代理店12社を紹介』
まとめ
株式会社Unionは、Google広告を含むWeb広告運用全般のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。