広告を配信していく中で以下のようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 特定のエリア内で広告を配信したい
- 実店舗への集客に繋がる広告配信をしたい
- ターゲットとなるユーザー行動を把握したい
- タイムセールなどリアルタイムで広告を配信したい
このような悩みを解消するのが「ジオターゲティング広告」です。
ジオターゲティング広告では、GPSやWi-Fiなどからユーザーの位置情報を取得し広告配信を行うことができます。
今回の記事では、ジオターゲティングと地域ターゲティングの違いや、ジオターゲティング広告の仕組みから4つのメリット、主要なサービス6つまでまとめて解説していきます。
ジオターゲティング広告以外のターゲティング広告については下記の記事を参考にしてみて下さい。
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
Contents
ジオターゲティング広告とは
ジオとは「Geography=地理」を指し、ユーザーの位置情報を基に特定のエリア内にいるターゲットに対して配信する広告をジオターゲティング広告と言います。
ジオターゲティング広告では、位置情報の取得をもとに現在店舗周辺にいるユーザーだけでなく、過去に来店履歴のあるユーザーを対象に、広告を配信することが可能です。
また、ジオターゲティング広告では、位置情報の取得からユーザーの属性や趣味嗜好を把握することで、自社の商品・サービスに興味を持ちそうなユーザーに限定して広告を配信することもできます。
なお、似たようなターゲティングの種類として「地域ターゲティング」といったものがあります。
ジオターゲティングとの違いに関しては次の章「2.ジオターゲティングと地域ターゲティングの違い」で解説します。
参考:『ジオターゲティング 商圏分析 用語集』
ジオターゲティングと地域ターゲティングの違い
地域ターゲティングもジオターゲティングと同様に、特定のエリアを指定し広告を配信するマーケティングの手法を指します。
では、地域ターゲティングとジオターゲティングは何が違うのか見ていきましょう。
地域ターゲティングについては下記の記事で詳しく説明していますので、是非参考にしてみて下さい。
関連記事:『リスティング広告、地域ターゲティングで気を付けるべき4つのポイント!』
指定できるエリアの範囲
2つのターゲティングの違いの1つとして、ジオターゲティングの方が地域ターゲティングに比べて、特定のエリアを細かく指定できるという点があります。
ジオターゲティングは、Wi-FiやBluetoothを使用して位置情報の特定を行うBeaconなどを活用して数m~数十mの狭い範囲内で細かく指定することが可能です。
それに比べて、Google広告やYahoo!広告の地域ターゲティングの範囲は最小で1km~となります。
例:〇〇駅を使用しているユーザーに広告を配信したい場合
- 地域ターゲティング:指定した駅全体を指定可能
- ジオターゲティング:駅内にあるカフェ・駅にある広場など細かく指定可能
このように、2つのターゲティングの違いとして指定できるエリアの範囲が異なるため、より細かなエリアで広告を配信したい場合は、ジオターゲティングがお勧めです。
参考:『広告の対象地域を設定する Google広告ヘルプ』
参考:『代理店・広告主向け 半径指定ターゲティングについて(ディスプレイ広告(運用型)) Yahoo!広告』
参考:『ジオターゲティング広告を【丁寧に】解説!位置情報を取る仕組み・おススメの広告サービス3選』
参考:『【地域ターゲティング】ジオ広告とGoogle広告の地域ターゲティングやポスティングとの比較を解説』
ターゲティングの種類
地域ターゲティングとジオターゲティングでは、指定できるターゲティングの種類にも違いがあります。
以下がそれぞれのターゲティングの種類となります。
地域ターゲティング | ジオターゲティング | |
ターゲティングの種類 |
|
|
ジオターゲティングは地域ターゲティングに比べて、来店履歴といった項目からもターゲティングを行うことが可能です。
参考:『ジオターゲティング広告を【丁寧に】解説!位置情報を取る仕組み・おススメの広告サービス3選』
ジオターゲティング広告の仕組み
ジオターゲティング広告は、主に下記の位置情報の取得方法を活用して広告を配信します。
- GPS
- Wi-Fi
- 通信基地局
- Beacon
それでは順番に解説していきます。
ジオターゲティングで位置情報を取得する方法
GPS
GPSとは「Global Positioning System(全地球測位システム)」の略称で、スマートフォンやタブレット端末、カーナビゲーションなどに搭載されており、位置情報を特定することができます。
GPSでは、衛星からの電波を受信することで位置を認識しており、精度の誤差は十数m~数十mとなっています。
参考:『意外と知らないGPSの仕組みとは?位置情報を測定する仕組みから用途まで詳しく解説します!』
Wi-Fi
カフェや商業施設など多くの施設に設置されているフリーWi-Fiを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
Wi-Fiの設定をオンにしているユーザーのスマートフォンやPCなどに、自動的にフリーWi-Fiが接続されることで位置情報の取得が可能となります。
auによると、Wi-Fiの電波の届く範囲は、屋内では約100m、屋外では約500mほどと言われています
また、精度の誤差は数m~数十mとなりGPSでは特定の難しい地下などにいるユーザーの位置情報も把握することができます。
参考:『ジオターゲティング広告とは?活用のコツと活用事例を紹介』
参考:『Wi-Fi(無線LAN)の接続距離は何mぐらいですか? auサポート』
通信基地局
通信基地局とは、スマートフォンと電波を直接交信している設備を指します。
通信基地局を使用することで、利用している通信基地局と交信しているスマートフォンの位置情報を取得することが可能です。
参考:『携帯電話基地局とわたしたちの暮らし 総務省』
参考:『近年話題の「ジオターゲティング」とは?仕組みや特徴、ジオターゲティング広告のメリットなどを詳しく紹介』
Beacon
Beaconは、Bluetoothを使用して位置情報を取得し、広告を配信することのできる機能です。
Bluetoothの電波は約10m~100mの範囲内と言われており、Wi-Fiよりも範囲が狭いため、店内やお店の近くの通行人など近距離のユーザーの行動を取得することができます。
広範囲のユーザーの位置情報の特定が難しい分、近距離で取得するにはターゲットの選定などが不要な為、広告配信がしやすいと言えます。
参考:『ジオターゲティング広告とは?活用のコツと活用事例を紹介』
参考:『ジオターゲティング広告について徹底解説! | 位置情報を利用したターゲティング力の高い広告』
ジオターゲティング広告のメリット4つ
ジオターゲティング広告を配信することで、下記4つのメリットを得ることができます。
- 特定のエリアやユーザーに絞り広告配信ができる
- リアルタイムでの広告配信ができる
- ユーザーの行動履歴を把握することができる
- 費用を抑えた広告配信ができる
それでは順番に解説していきます。
特定のエリアやユーザーを絞り広告配信ができる
ジオターゲティング広告の大きな特徴として、市区町村や店舗周辺などエリア・ユーザーを絞った広告の配信が挙げられます。
ジオターゲティング広告では、位置情報の取得から「20代~30代・女性・店舗周辺に住んでいるユーザーや通りかかったユーザー」といった配信エリアとターゲットを指定することができるため、店舗への集客を促進することができます。
近隣など狭い範囲を指定することが可能なジオターゲティング広告は、地域密着型の広告にもお勧めです。
参考:『【イトマンスイミングスクール】小さいお子様をもつ親御さんを狙いうち!幼児向け水泳体験教室の応募率が通常の12.5倍に!』
関連記事:『Web広告の運用でエリアマーケティングを成功させる3ポイント』
リアルタイムでの広告配信ができる
ユーザーの位置情報を把握することで、店舗周辺にいるユーザーに対してリアルタイムで広告を配信することができるため店舗への来店を促すことができます。
例えば、実店舗に来店している・周辺に滞在しているタイミングで「割引クーポン」や「お得な情報(タイムセール商品など)」を配信が挙げられます。
また、見込み顧客だけでなく潜在顧客へのアプローチが可能な為、ユーザーの興味関心を惹くことができれば、店舗への来店を促進させ集客数の増加が期待できます。
参考:『業界別事例もご紹介!人流データ×エリアマーケティング活用事例3選』
参考:『ジオターゲティング広告とは?メリット・デメリットや仕組みをわかりやすく解説』
関連記事:『Googleマップを活用した効果的な広告集客とは?5つのTipsを徹底解説』
ユーザーの行動を把握することができる
広告を配信する際に取得したユーザーの位置情報は、実際に店舗に来店したかどうかを計測することができます。
また、広告をクリックしたユーザー数だけでなく、表示された広告をクリックせずに来店したユーザー数の来店計測を行うことができます。
このように、ユーザーの位置情報を把握することで、配信数やクリック率、来店数の計測ができ、広告の効果をより効果的にするための施策を打ち出すことが可能となります。
参考:『ジオターゲティングとは?メリット・デメリット・成功事例を紹介』
参考:『ジオターゲティング広告とは?メリットデメリットをやさしく解説』
関連記事:『顧客分析とは?ユーザー行動を紐解く7つの手法と注意点をプロが解説』
費用を抑えた広告配信ができる
ジオターゲティング広告は、店舗周辺や自社の商品・サービスに興味関心のある特定のユーザーをターゲットにすることで、余分な費用を抑えて広告配信を行うことができます。
例えば、兵庫県の特定の地域にあるスーパーの広告が、東京に住んでいるユーザーに表示されたとしても、実際に来店してもらえる可能性は低いと言えます。
しかし、ジオターゲティング広告は、ユーザーの位置情報を基に来店してもらえる見込みのあるユーザーに限定して広告を配信することができます。
これにより、不要な広告費をかけずに広告運用を行うことが可能となります。
参考:『ジオターゲティングとは?メリット・デメリット・成功事例を紹介』
ジオターゲティング広告の活用例
実際に、ジオターゲティング広告を使用する例を2つご紹介していきます。
スーパーでの活用例
スーパーで売られているお総菜など商品の賞味期限が残り短い場合があるかと思います。
そのような場合に、以下のターゲティングを行い「当日限定の割引商品!」といったを広告を配信します。
- 30代~60代で、対象のスーパー周辺に住んでいるユーザー
- 18時以降に来店したことのあるユーザー
このように、主婦層や割引を行う時間を指定して広告を配信することで、来店を促し、廃棄商品の削減に繋げることが期待できます。
学習塾での活用例
学習塾を経営しており、生徒数と講師数を増やしたいとします。
その際に以下のターゲティングを行い広告を配信します。
- 学習塾周辺に住んでいる30代~40代の親世代
- 過去に他の塾での講師経験のあるユーザー
- 受験生の学生と学生の親
このように、家から通いやすい距離に住んでいる世帯や、特に学習塾を必要とするであろう受験生などを対象に広告を配信することで、効果的に生徒・講師を募集することができます。
参考:『ジオターゲティング広告とは? 仕組みや活用事例・メリットデメリットと主要4社をご紹介!』
ジオターゲティング広告を配信できる主要サービス
では、ジオターゲティング広告を配信できる6つの主要サービスを紹介していきます。
ASE Ad
ASE Adには、4,000万以上のユーザーの位置情報データがあり国内最大規模の位置情報データベースが構築されており、この情報を基にLINEやSNSを通じて広告を配信することができます。
広告に接触したユーザーが実際に店舗に来店したかを計測することも可能です。
参考:『位置情報マーケティングプラットフォーム ASE』
参考:『ジオターゲティング広告とは?活用のコツと活用事例を紹介』
GeoLogic
引用:『GeoLogic Ads』
GeoLogicは、広告主数6,000社(2024年2月末時点)を超え、ジオターゲティング広告配信できるサービスです。
エリア、年齢、性別の指定を掛け合わせてターゲット選定を行うことができ、バナーや動画広告、音声広告など多くの配信面から訴求することができます。
また、最低出稿金額がないため広告費を抑えながら広告配信を行いたい人にお勧めです。
参考:『GeoLogic Ads』
参考:『ジオターゲティング広告とは?活用のコツと活用事例を紹介』
RealPeople
引用:『cinarra』
RealPeopleには、年齢・性別別や移住地や平日活動エリアのエリア型、ユーザーの生活リズムなどの趣味嗜好など多様なターゲティングメニューを備えています。
また、電波強度や営業時間帯、滞在時間の3つなど高精度な来店計測を行うことが可能です。
参考:『cinarra』
UNIVERSE GEO
引用:『UNIVERSE GEO MicroAd』
UNIVERSE GEOは、株式会社MircoAdが提供しているジオターゲティング広告を配信できるサービスです。
配信実績5,000件以上、配信在庫は国内最大級のは月に2,500万を上る情報を保有しています。
UNIVERSE GEOでは、半径50mから10m単位でのエリア指定、郵便番号指定、勤務地の位置情報など独自のターゲティングを備えています。
参考:『MicroAd』
参考:『位置情報・ジオターゲティング広告とは? 主要媒体を一挙紹介!』
ProfilePassport Ad
引用:『ProfilePassport AD ブログウォッチャー』
ProfilePaspport Adは、スマートフォンのGPSで取得した位置情報を基に配信できるスマートフォン用のジオターゲティング広告です。
市区町村の指定や沿線の指定など制度の高いエリアターゲティングに加え来店測定も可能な為、効果的な広告配信が可能です。
また、ProfilePaspport Adには来店履歴をもとにパッケージターゲティングというものがあります。
パッケージターゲティングの例
- 「大学生パック」
・対象エリア:全国の大学
・想定対象者:大学生 - 子育てママパック
・対象エリア:全国の幼稚園、保育園
・想定対象者:乳児、幼児のママ層
参考:『ProfilePassport AD ブログウォッチャー』
参考:『ジオターゲティング広告とは? 仕組みや活用事例・メリットデメリットと主要4社をご紹介!』
TownWi-Fi Ads
引用:『TownWiFi Ads by GMO』
TownWi-Fi adsは、全国35万箇所に設置されているフリーWi-Fiに接続したユーザーに対して広告を訴求します。
ユーザーが全国のコンビニエンスストアやドラッグストア、カフェに入店しフリーWi-Fiに接続したタイミングでプッシュ通知として広告を配信します。
また、時間・範囲指定を行うことで適切なタイミングで広告を配信することで店舗への来店を促進させることができます。
参考:『TownWiFi Ads by GMO』
まとめ
今回の記事では、ジオターゲティングと地域ターゲティングの違いや、ジオターゲティング広告の仕組みや4つのメリット、主要な6つのサービスまで詳しく解説しました。
特定のエリアやターゲットに対して広告配信ができるジオターゲティング広告は、効率的かつ、効果的に実店舗への集客を促すことが期待できます。
また、似たターゲティングである地域ターゲティングと比較して、より詳細なエリアとユーザーのターゲットが可能となります。
この記事を読んで、自身で広告配信を行うことが難しいと感じた方は、広告代理店に任せるのも1つの方法です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。