Web広告を使って自社の商品・サービスをアピールするなら、まずはGoogle広告からスタートするのがおすすめです。
日本での検索エンジンのシェア率はGoogleがもっとも高く、PCではGoogleが74%、Yahoo!が8.5%、Bingが16.1%、モバイルではGoogleが81%、Yahoo!が16.5%という調査結果があります。
引用:『Desktop Search Engine Market Share in Japan – February 2024』
Google広告の代表的な種類として、リスティング広告やディスプレイ広告(GDN)などが挙げられますが、実はほかにもたくさんの種類があります。
Web広告運用で成果を出すには、まずは各広告の種類とその特徴を理解した上で、自社の目的に沿った最適な広告タイプを選ぶことが重要です。
今回は、企業が広告を運用する際に押さえておきたいGoogle広告の種類やメリット、それぞれの課金方式やターゲティングについて解説します。
関連記事:『【保存版】リスティング広告の用語23選!マーケティングの基本を解説』
Contents
Google広告とは
Google広告は、Google検索やYouTubeなどのGoogleが持つさまざまなプラットフォームに広告を掲載できるサービスです。
Googleが広告サービスを開始したのは2000年、そして検索連動型広告は2002年から提供されています。
長らく「Google AdWords(Googleアドワーズ)」という名称でしたが、2018年7月に現在の「Google広告」に変更されました。
Google広告は、Googleのオンライン広告プログラムです。Google広告で作成したオンライン広告は、自社の商品やサービスに関心を持っているユーザーに適切なタイミングで表示できます。
参考:『HubSpot社『【Google 広告完全ガイド】ログイン・アカウント開設から入稿方法まで徹底解説』』
参考:『株式会社 キーワードマーケティング『【コラム】ベテランが語る!運用型広告の変遷から学ぶ「昨日までの正解を疑う」大切さ・前編 』
Google広告6種類を解説
Google広告を運用するにあたり、押さえておきたい6種類の広告について解説します。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- YouTube広告
- ショッピング広告
- モバイルアプリインストール広告
- ローカル検索広告
打ち出したい商品・サービスの特性や配信の目的によって、適切な広告が異なります。
それぞれテキスト・画像といった広告の形態はもちろん、表示される条件も大きく異なります。
Google広告には幅広い選択肢があるので、自社の商品やサービスの特性、ターゲットとなるユーザーの嗜好に応じた配信が可能です。
たとえば、見た目の訴求力が高いファッションアイテムであれば、テキストだけで訴求するリスティング広告よりも、ビジュアルでアピールができるディスプレイ広告やショッピング広告が適しているでしょう。
以下でそれぞれ詳しく解説するので、検討する際のガイドとして活用してください。
リスティング広告
Googleのリスティング広告(検索連動型広告)は、特定のキーワードで検索をしたユーザーに対してテキスト広告を表示する方法です。
検索したキーワードに連動して広告が表示されるため、検索連動型広告とも呼ばれます。
広告は検索結果画面の上部や下部に配置されます。
リスティング広告の表示順位は、広告ランクによって決定されます。
広告ランクは、広告が検索結果の表示対象になるたびに計算され、以下の要素によって決まります。
広告ランクを決める要素
- 入札単価
- 広告やLPの品質
- 広告ランクの下限値
- ユーザーの検索背景
- オークションにおける競争力
- 広告表示アセットやそのほかの広告フォーマットの効果
ブランディングや認知度の向上というよりは、コンバージョン(CV)を目的とした広告運用に適しています。
参考:『広告ランクについて』
参考:『品質スコアについて 』
関連記事:『スマホ向けリスティング広告の特徴と成果を出す10の方法!』
リスティング広告のメリット
検索という能動的なアクションを起点とするため、商品・サービスへの関心が高く、申し込みや購入につながりやすいユーザーにアプローチできる点がメリットです。
多くの企業では、リスティング広告をクリックした遷移先にランディングページ(LP)やECサイトを設定し、そのまま申し込み・購入ができる導線を作っています。
一方、広告はテキストで表示されるため、ビジュアルで訴求ができないというデメリットがあります。
リスティング広告の運用方法については、以下の記事でも解説しています。
関連記事:『【3段階で分析】ボトルネック別・リスティング広告運用改善9案』
ディスプレイ広告(GDN)
Googleのディスプレイ広告は、「Googleディスプレイネットワーク」を略してGDNと呼ばれます。
Googleと提携しているWebサイトやアプリの広告枠に配信されるのが特徴です。
画像広告や動画広告、テキスト広告、レスポンシブ広告といったフォーマットがあります。
GmailやYouTubeといったGoogleが運営するサービスに加え、Googleのパートナーサイト(ライブドアブログ、教えてgoo、食べログ、pixivなど)やGoogleアドセンスに登録している個人のブログなど、さまざまなサイトに広告枠があります。
画像や動画で広告配信ができるため、申し込みや購入だけでなくブランディングや認知度の向上に適しています。
関連記事:『Googleディスプレイネットワークとは?利用する4つのメリットを解説』
ディスプレイ広告のメリット
ディスプレイ広告を配信できるサイトやアプリは3,500万以上もあることから、圧倒的なリーチ数を獲得できることがメリットです。
また、商品やサービスを知らないユーザーや、興味はあるけど検索行動に出ていない潜在ユーザーにアプローチが可能です。
そのため、企業のブランディングや商品、サービスの認知拡大を目的とした広告との相性が良いでしょう。
こちらの記事ではGoogleディスプレイ広告をより詳しく解説しています。
関連記事:『ディスプレイ広告とは?GDNとYDAの5つの違いを解説』
参考:『ディスプレイ広告と Google ディスプレイ ネットワークについて』
YouTube広告
YouTube広告は、YouTubeで動画を再生する前後や、動画の再生途中で配信できる広告キャンペーンです。
YouTube広告には以下の6種類のフォーマットがあります。
スキップ可能なインストリーム広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
動画の前後やまたは途中に再生される動画広告。
再生スタートから5秒経過するとスキップが可能です。
5秒以内に広告がスキップされた場合は課金対象とならないため、ユーザーが広告に興味を示した場合にのみ費用が発生します。
動画の長さに制限はありませんが、3分未満が推奨されています。
スキップ不可のインストリーム広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
動画の前後やまたは途中に再生される15~30秒以内の動画広告を指します。
広告の再生中はスキップすることができないため、30秒の尺をフル活用して訴求できる一方、ユーザーは広告を見続けなければいけないためストレスに感じる可能性があります。
インフィード動画広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
YouTubeの関連動画の横やYouTubeの検索結果ページ、YouTubeモバイルのトップページに表示される広告です。
インフィード広告はサムネイル画像とテキストのみで表示され、ユーザーがクリックすると広告が再生される仕組みです。
情報収集や検索段階で関心の高いユーザーに広告を表示できます。
関連記事:『インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の4つの注意点』
バンパー広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
動画の前後や再生途中に配信される6秒以内の短尺動画広告です。
短くてもユーザーに分かりやすいかつ伝わりやすい内容の動画に工夫する必要があります。
広告の再生中にスキップすることができません。
関連記事:『YouTubeバンパー広告とは?8つの特徴と料金、設定方法まで解説』
アウトストリーム広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
Google動画のパートナーサイトやアプリにのみ表示されるモバイル専用の動画広告です。
アウトストリーム広告は音声なしで動画が再生され、タップするとミュートを解除できます。
YouTubeには配信されません。
マストヘッド広告
引用:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
YouTube ホームフィードの上部で表示される動画広告です。
多くのユーザーに訴求できるため、新商品・サービスの認知拡大やキャンペーンに使用されます。
出稿の際は、Googleの営業担当を通して予約する必要があります。
なお、マストヘッド広告については以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:『YouTubeマストヘッド広告とは?3つのメリットと事例を踏まえて解説!』
参考:『YouTube『動画広告フォーマットの概要』 』
YouTube広告のメリット
YouTube広告の最大のメリットは、ターゲットにリーチしやすいことです。
引用:『総務省|令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 』
YouTubeは国内だけでも月間アクティブユーザーが7,120万人、全世代でも約87%のユーザーが利用しており、まさに人々の生活の一部になりつつある動画プラットフォームです。
多くのユーザーが利用しているYouTubeを通して訴求できることから、ブランディングやユーザーの購買意欲を向上させる効果があります。
動画広告は他の広告に比べて盛り込める情報量も多いため、ユーザーにインパクトを残しやすいことも特徴です。
また、テレビCMと比べても広告出稿費用が安く、費用対効果も高いことから取り入れやすい広告であるといえます。
YouTube広告の知識を深めたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:『YouTube広告の費用対効果を高める5つのポイントと事例をご紹介』
参考:『【2024年3月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ』
ショッピング広告
ショッピング広告は、ユーザーが「ワイヤレスイヤホン」「冷蔵庫」などのアイテム名で検索をした際に、検索画面のショッピング枠に表示される広告です。
広告には商品の画像や価格が掲載されるのが特徴で、クリックすると商品の購入ページに遷移します。
広告を出稿するためにフィードの入稿が必要なため、やや手間がかかるというデメリットはありますが、広告から直接購入に促すことができるため、メーカーやECサイトの運用におすすめです。
ショッピング広告のメリット
他の広告に比べて、ショッピング広告では購入意欲が高いユーザーにアプローチできます。
ショッピング広告は、実際に特定のキーワードを検索したユーザーに対してのみ表示され、ユーザーは商品画像とともに価格情報も見ることができます。
ユーザーが広告をクリックする段階では、その商品の十分な情報を把握しており、購入に至る可能性が高いためコンバージョンにも繋がりやすいです。
参考:『Google『ショッピングキャンペーンとショッピング広告について』』
モバイルアプリインストール広告
Google Play、Apple App Storeのアプリダウンロードを促す広告です。
Googleの検索画面やGoogleディスプレイネットワーク、Discover、YouTubeといったGoogleの関連サービスの広告枠に配信されます。
ユーザーが広告をクリックすると、Webサイトもしくはアプリストアへ遷移する仕組みになっています。
アプリのアイコンや画像のほか、アプリの概要説明、ストアでの評価スコアなども表示されます。
参考:『Google『モバイルアプリ インストール広告について』』
モバイルアプリインストール広告のメリット
モバイルアプリインストール広告は、広告文と入札単価、その他いくつかのアセットを設定するだけで広告キャンペーンが自動で生成されます。
そのため、広告を自分で作る必要がなく、運用や配信設定に手間がかからないのがメリットです。
関連記事:『Google広告でアプリキャンペーンを配信する4ステップと注意点』
ローカル検索広告
店舗の近くにいるユーザーが検索したときに、電話番号や営業時間などの店舗情報が表示されます。
具体的には「表参道 美容室」「渋谷 焼肉店」のような、エリア名+業種名での検索(ローカル検索)をした際に、Googleの検索結果の画面にエリア内の店舗情報のリスト(ローカルパック)が表示される仕組みです。
ローカル検索広告は、ローカルパックの一番上に店舗情報として表示されるのが特徴です。
ローカル検索広告のメリット
ローカル検索広告のメリットは、来客数と問い合わせ数を増加させやすいことです。
「渋谷 焼肉店」であれば、渋谷にある焼肉店をリアルタイムで探している顕在ユーザーに広告が表示されるため、来客数や問い合わせ数の増加が見込めます。
また、ローカル検索広告の検索結果は、ユーザーの位置情報によって変動します。
ユーザーの位置情報から近い店舗が優先的に上位表示されるため、来店の確度が高いユーザーの集客が可能です。
ローカル検索については、下記の記事で種類やローカルパックに表示させるための戦略などをご紹介しています。
関連記事:『ローカルSEOの基本4ポイントを解説!MEOとの違いとは?』
それぞれのGoogle広告のメリットや特徴を以下にまとめたので、自社の目的に合わせてGoogle広告を運用してみて下さい。
種類 | メリットと特徴 |
リスティング広告 |
|
ディスプレイ広告 |
|
YouTube広告 |
|
ショッピング広告 |
|
モバイルアプリインストール広告 |
|
ローカル検索広告 |
|
Google広告の課金方式
この章では、Google広告の代表的な課金方式についてご紹介します。
Google広告では主に以下の課金方式を採用しており、広告の種類によってそれぞれ課金方式が異なります。
- クリック課金型(PPC)
- インプレッション課金型(CPM)
- 視聴課金
- コンバージョン課金
課金方式 | 費用発生の条件 | 広告の種類 |
クリック課金型 | 広告がクリックされた回数(1,000回ごと)に応じて課金される | 検索広告 ディスプレイ広告 YouTube広告 ショッピング広告 モバイルアプリインストール広告 ローカル検索広告 リスティング広告 |
インプレッション課金型 | 広告の表示回数に応じて課金される | ディスプレイ広告 YouTube広告 リスティング広告 |
視聴課金 | 動画広告の再生回数に応じて課金される | YouTube広告 |
コンバージョン課金 | サイトを通して発生した成果に応じて課金される | ディスプレイ広告 |
参考:『株式会社アドフレックス・コミュニケーションズ『【2022年最新版】主要Google 広告の種類と特徴、ターゲティング内容を解説』』
Google広告は、管理画面によって費用を管理し、出稿金額を自ら設定できるのが特徴です。
たとえばクリック課金型なら、クリック単価(CPC)や広告の上限費用をコントロールしながらの運用が可能なので、限られた予算内で出稿したい場合でも気軽に利用できます。
例えば、リスティング広告を運用している代理店であれば、30万円程度を最低出稿金額として定めているところが多く見られます。
自社運用であれば、さらに予算を抑えることも可能です。
なお、クリック課金型広告は「PPC(Pay Per Click)広告」とも呼ばれています。
PPC広告については、下記にて詳しく解説しています。
関連記事:『Web広告【PPC広告とは?】 代表3種類や費用の仕組みを解説!』
Google広告のターゲティング機能
Google広告では、ユーザーの特性を絞り込むターゲティングの機能を活用した広告配信が可能です。
たとえば飲食店や美容室が広告を出稿する場合、なるべくお店に足を運びやすいエリアのユーザーに向けて訴求をするために「地域」を絞ると効果が出やすいでしょう。
Google広告では、下記のターゲティングが可能です。
- オーディエンスターゲティング
- コンテンツターゲティング
- その他のターゲティング
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説!』
オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングでは、下記でユーザーを絞り込むことができます。
- ユーザーの属性
- ユーザーの興味や関心・習慣
- ユーザーが積極的に調べている内容
- 広告主の広告、ウェブサイトやアプリにアクセス歴のあるユーザー
ユーザー属性として絞り込む際に設定できるのは、年齢・性別・子供の有無・世帯収入です。
ユーザーの興味や関心・習慣や、積極的に調べている内容を、自社の商品・サービスのカテゴリと同じまたは近い領域のものを選ぶことで、関心を持ちやすい層にアプローチできます。
また、すでに自社の広告やサイトと接触した経歴があるユーザーへのリマーケティングも可能です。
専用のタグを設置しておくことで、サイトを訪問したユーザーにCookieが付与され、サイト離脱後に追跡が行われます。
関連記事:『Cookieは同意すべき?4つの種類とWebサイトへの影響とは』
コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングでは、広告の配信先を絞り込むことで、関心の高いユーザーに訴求する方法です。
複数のコンテンツターゲティングを組み合わせることも可能です。
以下の3つのコンテンツタイプで指定できます。
トピック
ターゲティングにトピックを設定することで、それに関連する複数のページをまとめて広告の掲載対象にできます。
アート・エンターテイメント、インターネット・通信、オンラインコミュニティ、ゲームといった幅広いトピックのなかから選択可能です。
プレースメント
Googleのディスプレイネットワークに加入しているWebサイトを指定し、ユーザーが該当するサイトを訪問したときに広告を表示する方法です。
プレースメントターゲティングではキーワードを指定する必要はありません。
コンテンツキーワード
自社の商品・サービスと関連性の高い語句を指定し、該当するキーワードで検索を行うユーザーに広告を表示する方法です。
複数の語句を指定することも可能です。
参考:『Google『広告のターゲット設定』』
その他のターゲティング
前述のターゲティング以外にも、下記が可能です。
- 特定のエリアに向けた配信
- 曜日や時間帯を指定した配信
- デバイス(PC・スマートフォン・タブレット)を指定した配信
たとえば曜日や時間帯を指定して配信をする場合「通勤時間にスマホをチェックしている」「土日にくつろいでいる」などのシチュエーションを想定して広告を配信することができます。
ターゲットとなるユーザーのライフスタイルを想定することで、より訴求力を高められるでしょう。
適切なターゲティングを行うには、自社の商品・サービスを届けたいユーザーの像を明確にしておく必要があります。
また、範囲を狭めると配信できるユーザー数が少なくなるため、ターゲティングを細かく設定しすぎないように注意が必要です。
下記の記事では、Webマーケティングに欠かせないペルソナ設定について説明しています。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
まとめ
この記事を読んで、Google広告の最適化や運用が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
弊社ではリスティング広告運用代行というサービスを展開しております。
リスティング広告の運用経験を豊富に蓄積している他、Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されています。
蓄積されたノウハウから短時間で課題を解決に導きます。
また、薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。