広告効果とは、広告を通して商品やサービスの認知や関心を高めたり、商品の販売促進や店舗などの集客を向上させる効果のことです。
ここでいう広告は、TVCMや新聞広告などのマスメディアの他、インターネット広告なども含みます。
広告を出稿する前に狙う効果を決め、広告を出した後にその効果を計測・分析することで広告効果をより高めることができます。
本記事では、TVCMや新聞広告、インターネット広告など様々な種類の広告の効果を測定する方法を解説していきます。
参考:『広告効果と集客力|ムサシノ広告社』
関連記事:『おすすめの広告効果測定ツール5種類!分析可能な項目もご紹介』
Contents
広告効果
広告には、大きく分けて以下の3つの効果があります。
- 接触効果
- 心理効果
- 売上効果
接触効果
接触効果とは、広告を通して商品やサービスの認知度を高める効果です。
とくに新商品など、まだ商品がユーザーに認知されていないものは、多くの人に商品を知ってもらうことから始める必要があります。
代表的な接触効果の一つとして「単純接触効果」というものがあります。
これは、同じ広告に繰り返し接触することで自然と興味が湧いてくる心理的現象のことで、CMやドラマで流れている曲を何度も聞いているうちに、自然と覚えて口ずさんでしまうなどといった現象もこれに当たります。
この現象は1968年にアメリカの心理学者であるロバート・ザイオンス氏によって発表されたことから「ザイオンス効果」とも呼ばれています。
商品やサービスの認知度を高めたいという場合は、この効果につながりやすい広告を中心に出稿していきましょう。
参考:『単純接触効果(ザイオンス効果)とは?単純接触効果を活かした働き方|Chatwork 』
参考:『マーケティング担当必見!広告の効果とそれぞれの効果測定法をまとめて解説』
心理効果
心理効果とは、広告を通して商品やサービスの理解度を高める効果です。
ユーザーに商品を購入してもらうためには、商品やサービスについて深く理解してもらう必要があります。
また、ユーザーに商品やサービスに対するプラスのイメージを持ってもらうことで、購入の動機付けになります。
ですが、心理効果が高い広告手法はいくつかあるので、その広告の効果測定を通してユーザーの心理にどれほど働きかけ、理解度を高められたのかを測ることが出来ます。
心理効果を測定するには、アンケート調査などを実施することが有効です。
広告を通して、商品の理解度や魅力度を高めていきたいという場合は、ユーザーから評価される広告を出稿していきましょう。
関連記事:『【初心者向け】すぐに使える!広告で役立つ心理テクニック7選』
参考:『マーケティング担当必見!広告の効果とそれぞれの効果測定法をまとめて解説』
売上効果
売上効果とは、広告を通して商品やサービスを購入してもらう効果です。
広告の認知度、理解度が高まったら、直接的な売上アップにつなげましょう。
BtoBのような高単価な商材であれば、資料請求などの行動がこれに当たります。
広告の最終的な目的は売上を上げるためなので、もっとも重要な効果になります。
広告がしっかり売上に貢献しているのかを評価するための指標を持つことで、広告の費用対効果を測ることができます。
売りたい商品にとってプラスに働く広告なのか、実はマイナスに働く広告なのかを見極めることが重要です。
参考:『マーケティング担当必見!広告の効果とそれぞれの効果測定法をまとめて解説』
関連記事:『【初心者向け】成果を上げる広告文の作り方と8つの訴求軸を解説』
広告の種類と測定方法
広告の種類によって、広告効果の測定方法は異なります。
ここでは、5種類の広告とその測定方法について解説していきます。
テレビCM
テレビCMの主な効果は「信頼度の向上」です。
テレビCMでは、不特定多数の幅広い層に向けて、自社の魅力をアピールできます。
また、テレビCMは企業の信頼度を高めるのに効果的です。
野村総合研究所が実施した「生活者1万人アンケート(8回目)」アンケートによると、以下の通りテレビCMの方がネット広告よりも信頼度が高いことが分っています。
テレビCMとネット広告の信頼度
- テレビCMの信頼度:56%
- ネット広告の信頼度:13%
ただし総務省の「調査報告書」によると、若年層を中心に、インターネットの「情報源としての重要度」がテレビを上回っており、インターネットを活用する重要性が増していることも伺えます。
引用:『令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書|総務省』
関連記事:『広告はなぜ必要なのか?企業側&消費者側にてとっての「価値」とは?』
テレビCMの効果を測定する方法
テレビCMの効果測定には「GRP」「GAP」という指標を用います。
GRP
GRPは「Gross Rating Point(延べ視聴率)」の略称で、一定期間に流したCM1本ごとの視聴率の合計です。
例えば、平均視聴率10%の番組に3本のCMを出せば、計30%で、「30GRP」となります。
GAP
GAPは「Gross Attention Point(延べ注視量)」の略称で、画面を注視している視聴者数です。
GAPではセンサーカメラによる顔認識技術を活用し、個人が識別できるため、実際に画面を見ているのか測ることができます。
参考:『GRP(延べ視聴率)|グロービス経営大学院 創造と変革のMBA』
新聞広告
新聞広告の主な効果は「多くの情報を伝えられる」「中高年層へのアプローチが可能」です。
TVCMは15秒や30秒と制限があり、伝えられる情報量が限られています。
ですが新聞広告は、紙媒体なので多くの情報量を伝えることができ、TVCMでは伝えられなかった情報を新聞に記載することができます。
また、新聞広告は中高年に対してアプローチが可能です。
公益財団法人の「第13回メディアに関する全国世論調査」では、以下の通り、60代以上の8割が新聞を読んでいることが分っています。
引用:『第13回メディアに関する全国世論調査(2020年)|公益財団法人』
新聞の効果を測定する方法
新聞広告の効果測定には「CPO」「CPR」という指標を用いるのが一般的です。
CPO
CPOは「Cost per Order(新規顧客の獲得単価)」の略称で、受注1件あたりに費やしたコストを意味し、「コスト÷受注件数」という計算式で求めることができます。
CPOが高いほど高額を費やしたことになり、低いほど少ない費用で受注できたことになります。
例えば、1個3,000円の商品を販売するために、100万円の広告費を投入し、その広告から100件の新規購入があったとします。
100万円(広告費)÷100件(受注件数)=10,000円(CPO)
このとき3,000円の商品を1個販売するのにかかった広告費(CPO)は、10,000円ということになります。
CPR
CPRは「Cost Per Response」の略称で、顧客からレスポンスを獲得するために費やしたコストを意味し、「コスト÷レスポンス件数」という式で求めることができます。
CPOが実際に売りたい商品の受注件数をもとに計算するのに対して、CRPは「サンプル品」や「お試し品」など、実際の商品購入を促すための商品も含まれます。
例えば、1件300円のサンプルの申し込みを募るため、100万円の広告費を投下して、その広告から500件の申し込みがあったとします。
100万円(コスト)÷500件(レスポンス件数)=2,000円(CPR)
このとき、1件あたりにかかった広告費(CPR)は2,000円ということになります。
参考:『CPO(注文獲得単価)とは – 意味をわかりやすく – IT用語辞典 e-Words』
参考:『CPR(Cost Per Response)とは|デジタルマーケティングラボ』
ラジオCM
ラジオCMは、時間帯やリスナー層などをターゲティングしやすく、ターゲットにピンポイントで訴求したいという場合に有効な手法です。
また、ラジオCMはリーセンシー効果が生まれやすいです。
リーセンシー効果とは、メディアCMが買い物中に商品選択に与える影響を指します。
買い物に行くまでに車聞いたラジオ広告がその後の商品選択に影響を与えることから、ラジオ広告はリーセンシー効果が期待される広告種となっています。
学術雑誌のThe Academy of Management Journalの発表によると、被験者に無関係な項目(例えば、単語、事実、行動など)のリストを与え、その情報を後で思い出すように指示した時、人は途中の項目よりも最初と最後の項目を思い出す可能性が高いことを発見しました。
ラジオの効果を測定する方法
聴取率
ラジオCMの効果測定は「聴取率」という指標を用います。
テレビの視聴率と同じように、ある時間帯にラジオが聞かれた割合を表します。
視聴率は世帯単位で確認していきますが、聴取率は個人単位で測定していきます。
参考:『聴取率と視聴率の違い – RABJ Archive | JBA LOCAL』
関連記事:『ブランディングに効果的!音声広告とは?3つの特徴を紹介!』
雑誌広告
雑誌広告は掲載誌ごとに読者の属性や趣味が絞れるため、ターゲティングの精度が高いです。
また、ブランディングや売上アップに効果があります。
商品と似たジャンルに関心があるユーザーにアプローチできます。
また、雑誌などは読み返すことができるので、ユーザーに対して何度も商品の訴求をすることができます。
雑誌の効果を測定する方法
雑誌広告は「実売部数」という指標を用いることが多いです。
しかし、実売部数からは具体的な効果指標データを獲得するのが難しいです。
そこで、雑誌広告の効果測定を行う他の方法として以下の測定方法を紹介します。
雑誌にハガキ、お問い合わせ先を掲載する
雑誌に特化したハガキやお問い合わせ先を掲載します。
この数を測定することで、ダイレクトに広告効果を計測できます。
雑誌からWebへ誘導する
雑誌にQRコードやHPアドレスを掲載すると、アクセス数から興味関心を測定できます。
参考:『雑誌広告とは?メリットとデメリット、効果測定のやり方とは | ニッチメディア』
インターネット広告
インターネット広告はすべての広告の中で最も効果測定がしやすいため、広告出稿が初めての方でも運用しやすいのが特徴です。
代表的なインターネット広告は以下の7種類です。
- リスティング広告:検索結果に連動して表示される広告。
- ディスプレイ広告:バナー広告とも呼ばれ、ニュースサイトやスマホアプリなどに表示される広告。
- ネイティブ広告:SNSやニュースサイトなどに自然に溶け込むように掲載される広告。
- アフィリエイト広告…Webサイトやブログなどにリンクを張ってもらい、アクションが発生時に費用が発生する広告。
- SNS広告…TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS上に配信される広告。
- 動画広告…YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォーム上で流れる動画を使った広告。
- メール広告…電子メールを使った広告。
関連記事:『Z世代にリーチできる施策!TikTok動画広告における3つの成功事例を紹介』
インターネット広告の効果を測定する方法
インターネット広告の効果を測定するための指標は非常に多いです。
そのため今回は代表的な3つの指標を紹介します。
インプレッション(Imp)
インプレッションとは、広告が表示された回数を指し、日本語では「表示回数」と表記される場合もあります。
広告がどれくらいのユーザーの目に入ったかを示す指標で、広告の認知度を測る指標と捉えて良いでしょう。
クリック率(CTR)
クリック率(Click Through Rate)とは、広告がクリックされた割合を示す指標です。
クリック率は、クリック数をインプレッション数で割ったものなので「(クリック数÷Imp)×100」で算出することができます。
このクリック率が高いほど、ユーザーの興味をそそる広告表示ができていることになります。
Webサイトへの誘導数などを測定するうえでも欠かせない情報です。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率とは、広告主が目標としている行動に対し、実際にどのくらいのユーザーが達成したかを指します。
具体的にコンバージョン当たるものとしては、「商品の購入」「資料請求」「問い合わせ」などがあります。
コンバージョン率は「(CV数÷クリック数)×100」で算出することができます。
インターネット広告ではこれら3種類の指標を測定できるので、広告効果を実感しやすいです。
また、無料で広告の効果計測ができるツールとして、Googleが提供する『Googleアナリティクス』があります。
コンバージョンまでのユーザーの行動パターンも分析でき、費用の調整もしやすいため、より効率的な広告運用ができます。
参考:『マーケティング担当必見!広告の効果とそれぞれの効果測定法をまとめて解説』
関連記事:『Facebook広告のコンバージョンAPIとは?運用するメリット2選』
まとめ
この記事を読んで、広告の効果測定が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
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