Facebookは、国内月間アクティブユーザー数2,600万人を抱えるSNSです。
参考:『【2023年5月更新】主要ソーシャルメディアのユーザー数まとめ』
Facebookは広告主に膨大な数の潜在的なオーディエンスを提供していますが、広告で成果を出すには、ビジネスに関心を持つ可能性が最も高いユーザーに確実にリーチしなくてはいけません。
しかし、Facebook広告を実際に運用する上で、
「Facebook広告にてリピーターを獲得したい」
「費用対効果の高い広告運用をおこないたい」
上記のような課題が生じるかと思います。
本記事では、企業の広告担当者様へ向けて「Facebook広告のカスタムオーディエンスの設定方法」を紹介しています。
関連記事:『Facebook広告の費用対効果は高い?クリックコストを下げる3つの方法』
Contents
Facebook広告のカスタムオーディエンスとは
Facebook広告のカスタムオーディエンスは、すでに関わりのある特定のグループの人々をFacebook広告のターゲティングとする機能です。
年齢や性別などの幅広い人口統計を通じたターゲティングの代わりに、自社のWebサイト、アプリ、オフラインリスト、またはFacebook自体から取得したデータに基づいて広告をターゲティングできます。
Facebook広告のカスタムオーディエンスを使用すると、下記のようなターゲティングが実現できます。
- 顧客リストのカスタムオーディエンス(自社顧客リストを活用)
- ウェブサイトカスタムオーディエンス(Webサイトのアクセスデータを活用)
- エンゲージメントカスタムオーディエンス(Facebook上のユーザーアクションデータを活用)
- アプリアクティビティカスタムオーディエンス(アプリ内のユーザー行動データを活用)
カスタムオーディエンスは、自社マーケティング活動をより効率的に実現でき、パフォーマンスの向上やCV改善にもつながりやすくなります。
例えば、自社Webサイトの月間訪問者8,000人を超える企業が、過去30日間に製品ページにアクセスしたユーザーを対象としたカスタムオーディエンスを実施したところ、収益とCV率が50%以上向上したデータもあります。
参考:『カスタムオーディエンスについて』
参考: 『Facebook Ads Custom Audience: Everything You Need To Know in 2023』
カスタムオーディエンスの仕組み
カスタムオーディエンスは、管理画面にアップロードした顧客情報をFacebook上にアップロードする必要があります。
アップロードされた情報は、ハッシュ化(※1)され、Facebookに送信されます。
その情報とFacebookが保有している情報の照合後、カスタムオーディエンスが完成する仕組みです。
参考:『顧客情報のハッシュ処理について』
カスタムオーディエンスのメリット
カスタムオーディエンスには下記のようなメリットがあります。
見込み客に絞ったアプローチが可能
カスタムオーディエンスを利用すると、見込み客に絞ったアプローチができるメリットがあります。
カスタムオーディエンスでは、すでに自社と接点があるユーザーをターゲットにするケースが多いため、コンバージョンに近いユーザーに絞り込んだ広告配信ができます。
例えば「Webサイトの訪問者」など、自社に興味のあるユーザーであれば、通常のコアオーディエンスよりも効果的な広告配信が実現できるでしょう。
関連記事:『Facebook広告の効果を上げるためのターゲティング活用ガイド5選』
リピーターが獲得しやすい
カスタムオーディエンスを利用すると、リピーターが獲得しやすいメリットがあります。
既存顧客データを活用すれば、同じユーザーに対して、定期的に広告配信ができるためです。
例えば、ニューヨークに本拠を置くFabでは、リピーターの構築をカスタムオーディエンスで実現しており、他の広告媒体よりも2倍の生涯価値を持つリピーター顧客の獲得に成功しています。
類似オーディエンスの作成も可能
カスタムオーディエンスを利用すると、類似オーディエンスを作成できるメリットがあります。
類似オーディエンスとは、Facebookのユーザー情報をもとに、既存顧客と似た傾向を持つユーザーに広告配信する機能です。
例えば、CV達成済みのユーザーで一度、カスタムオーディエンスを作成した後に類似オーディエンスを作成します。
すると、CV達成済みの既存顧客と似た傾向を持つユーザーをFacebook上で見つけることが可能です。
参考:『類似オーディエンスについて』
カスタムオーディエンスのデメリット
カスタムオーディエンスのデメリットについて紹介します。
下記デメリットを理解した上で、カスタムオーディエンスを利用するようにしましょう。
オーディエンスリスト作成の手間がかかる
カスタムオーディエンスでは、オーディエンスリスト作成の手間がかかるというデメリットがあります。
タイプによっては、自社で収集したデータをFacebook上にアップロードする必要があるので、通常広告配信よりも手間がかかると覚えておきましょう。
また、アップロードする情報は個人情報となるため、委託が難しく、すべて自社で管理しなくてはいけないのもデメリットでしょう。
リーチ数が少ない
カスタムオーディエンスは、リーチ数が少ないというデメリットがあります。
なぜなら、カスタムオーディエンスはユーザーを絞り込んだターゲットとなるためです。
多くのユーザーに対してリーチしたい場合は「認知キャンペーン」や「類似オーディエンス」を利用しましょう。
関連記事:『Facebook広告の費用はいくらかかる? 3つのポイントを解説!』
Facebook広告カスタムオーディエンス設定方法と概要
Facebook広告のカスタムオーディエンスには、4つのタイプがあります。
まずは各カスタムオーディエンスに共通する設定方法を紹介します。
下記手順に従って、自社に最適なカスタムオーディエンスを作成してみましょう。
Facebookのビジネスホームから「オーディエンス」を選択
引用:『Facebook広告』
Facebookのビジネスホームにアクセスするとカスタムオーディエンスの作成を開始できます。
はじめに「オーディエンス」を選択しましょう。
※ホーム画面に「オーディエンス」のメニューが表示されない場合は、すべてのツールをクリックすると表示されます。
オーディエンスから「カスタムオーディエンスを作成」を選択
引用:『Facebook広告』
オーディエンスのソースを選択
引用:『Facebook広告』
次に、オーディエンスの情報をどこから入手するか(オーディエンスのソース)を選択できます。
利用できるソースは、下記の通りです。
ソースの種類 | ソース | タイプ |
自分のソース
| ウェブサイト | ウェブサイトカスタムオーディエンス |
アプリアクティビティ | ||
カタログ | エンゲージメントカスタムオーディエンス | |
カスタマーリスト | カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス | |
オフラインアクティビティ | エンゲージメントカスタムオーディエンス | |
Facebookのソース | 動画 | エンゲージメントカスタムオーディエンス |
リード獲得フォーム | ||
インスタントエクスペリエンス | ||
ショッピング | ||
ARエクスペリエンス | ||
Instagramアカウント | ||
イベント | ||
Facebookページ | ||
Facebook上の出品 |
カスタムオーディエンスで利用できるソースは「自分のソース」「Facebookのソース」の2種類あると覚えておきましょう。
作成するカスタムオーディエンスのタイプによって選択するソースは異なるので、各設定方法については下記内容を参考にしてください。
カスタマーリストに基づくカスタムオーディエンス
自社が保有する「電話番号」「メールアドレス」などの顧客データを使用した広告配信をカスタマーリストに基づくカスタムオーディエンスといいます。
例えば、実店舗にて獲得した顧客情報をFacebookにアップロードすれば、その中からFacebookを利用しているユーザーを見つけて広告配信します。
そのため、リピーター獲得や特定の見込み客獲得に優れたカスタムオーディエンスといえるでしょう。
関連記事:『Facebook広告の運用代行に強い!おすすめ代理店10社を紹介!』
設定方法
「カスタマーリスト」を選択
引用:『Facebook広告』
先ほどの「カスタムオーディエンスのリストのソースを選択」の画面から「カスタマーリスト」を選択します。
カスタマーリストの準備方法を選択
引用:『Facebook広告』
カスタマーリストをインポートするには下記2つの方法があります。
- Mailchimpから顧客リストをインポート
- CSVファイルをインポート
Mailchimpとは、MailChimp社が提供するメール配信ツールです。
こちらのツールを活用している場合は、直接顧客リストをインポートできますが、今回はツールを活用していない方に向けて「CSVまたはTXTファイルをインポート」の方法を紹介します。
「CSVまたはTXTファイルをインポート」の方法を活用する場合は、Facebookが指定するフォーマットにてインポートする必要があるので「ファイルテンプレートをダウンロード」を選択してファイルを準備しましょう。
その後、下記内容を参考に顧客情報を入力してください。
テンプレートの項目 | 入力する情報 |
メールアドレス | |
fn | 名 |
In | 姓 |
gen | 性別 |
phone | 電話番号 |
zip | 郵便番号 |
age | 年齢 |
doby | 誕生年 |
dob | 生年月日 |
country | 国 |
st | 都道府県 |
ct | 市区町村 |
参考:『カスタマーリストをフォーマットする方法』
カスタマーリストアップロードの準備
引用:『Facebook広告』
ファイルの準備ができれば「次へ」を選択します。
カスタマーバリューについての項目が表示されるので、顧客ごとに金額を設定しているなら「はい」、設定していないなら「いいえ」を選択します。
カスタマーリストのアップロード
引用:『Facebook広告』
作成したカスタマーリストをアップロードし、オーディエンスに名前をつけます。
アップロード後、Facebookがカスタムオーディエンスを準備するので、約30分でカスタマーリストに基づくカスタムオーディエンスが完成します。
ウェブサイトカスタムオーディエンス
Webサイトのアクセスデータを活用した広告配信をウェブサイトカスタムオーディエンスといいます。
- Webサイトのアクセスしたことがあるユーザー
- 特定のWebページにアクセスしたユーザー
- 特定の期間にWebサイトにアクセスしたユーザー
上記のような条件を指定して、カスタムオーディエンスを作成できます。
そのため、特定の見込み客獲得に優れたカスタムオーディエンスといえるでしょう。
関連記事:『リスティング広告とFacebook広告の違いとは?特徴とポイント3選!』
設定方法
カスタムオーディエンスのソースを選択
引用:『Facebook広告』
カスタムオーディエンスのソースから「ウェブサイト」のソースを選択します。
リストの設定
引用:『Facebook広告』
下記内容を入力していきましょう。
項目 | 詳細 |
ソース | カスタムオーディエンスに使用するピクセル(※3)を選択 |
イベント | すべてのユーザー、特定のページにアクセス、滞在時間、いずれから選択 |
リテンション | 条件を満たしたユーザーをオーディエンスとする期間 |
オーディエンス名を入力して作成
引用:『Facebook広告』
オーディエンス名と詳細情報を入力して「オーディエンスを作成」を選択します。
確認完了画面
引用:『Facebook広告』
ウェブサイトカスタムオーディエンスが完成すれば完了です。
エンゲージメントカスタムオーディエンス
Facebook上のユーザーアクションをもとにした広告配信をエンゲージメントカスタムオーディエンスといいます。
対象となるエンゲージメントは下記の通りです。
対象 | エンゲージメントの詳細 |
Facebookページ | Facebookページのフォロワーやアクションしたユーザー |
動画 | FacebookやInstagramで動画を再生したユーザー |
イベント | Facebookのイベントでアクションしたユーザー |
ショッピング | ショッピング機能を利用したユーザー |
出品 | Facebookカタログに商品にアクションしたユーザー |
インスタントエクスペリエンス | FacebookまたはInstagramのいずれかでエクスペリエンスの1つを開いたユーザー |
リード獲得フォーム | リード広告の1つを開始または完了したFacebookユーザー |
ARエクスペリエンス | FacebookやInstagramでARエクスペリエンスを聞いたユーザー |
Facebook上ですでに接点があり、最終的なCVへ引き上げたいときに有効なカスタムオーディエンスといえるでしょう。
設定方法
エンゲージメントカスタムオーディエンスは、Facebookソースに基づいて作成するカスタムオーディエンスです。
すべてのデータはすでにFacebook上にあるため、自社で顧客リストを作成する必要がないため、簡単に設定が実施できます。
カスタムオーディエンスのソースを選択
引用:『Facebook広告』
カスタムオーディエンスのソースをFacebookのソース上(Meta Sources)から選択します。
エンゲージメントの設定
引用:『Facebook広告』
各エンゲージメント(ユーザーの行動)の設定を進めていきましょう。
例えば「動画」であれば「動画を〇秒以上再生したユーザー」「動画を〇%以上再生したユーザー」などの条件を指定して、カスタムオーディエンスを作成します。
オーディエンスを作成
引用:『Facebook広告』
条件指定後、自社で投稿している動画を選択して「リテンション」「オーディエンス名」を入力して「オーディエンスを作成」を選択すれば完了です。
関連記事:『Facebook広告の計測タグ設置方法4STEP【成果アップのコツも紹介】』
アプリアクティビティカスタムオーディエンス
アプリ内のユーザー行動をもとに広告配信することをアプリアクティビティカスタムオーディエンスといいます。
アプリアクティビティカスタムオーディエンスでは、下記のような条件を設定できます。
- アプリを起動したユーザー
- 支払い情報を登録したユーザー
- アプリ内購入を行ったユーザー
- 一定のレベルに達したユーザー
上記のようなユーザーをターゲットにできるため、アプリエンゲージメントキャンペーンの優れた基盤になります。
設定方法
カスタムオーディエンスのソースを選択
引用:『Facebook広告』
「アプリアクティビティ」を選択します。
ソースを選択してオーディエンス作成
引用:『Facebook広告』
ソースにてアプリを選択して「アプリ内での購入」「ゲーム内にて特定のレベルに到達」などの条件をしています。
その後「オーディエンス名」と「詳細」を入力すれば、カスタムオーディエンスの完成です。
ソース内に「利用可能なアプリがありません」と表示された場合は、アプリをFacebookに登録する必要があります。
アプリを登録するには、以下3つが必要です。
- Facebookアカウント
- Facebook for Developersアカウント
- アプリのFacebookページ
登録方法については「ヘルプページ」を参考にしてください。
関連記事:『Facebook広告のコンバージョンAPIとは?運用するメリット2選』
まとめ
Facebook広告のカスタムオーディエンス4つのタイプの設定方法を紹介しました。
Facebook広告のカスタムオーディエンスはすでに関わる特定のグループの人々をFacebook広告のターゲティングとする機能です。
「見込み客に絞ったアプローチ」「リピーターが獲得しやすい」「類似オーディエンスが作成できる」といったメリットがあります。
カスタムオーディエンスのタイプによっては、オーディエンスリスト自社で用意する必要がありますが、その分、費用対効果の高い広告運用が実現できます。
この記事を読んで、カスタムオーディエンスの設定が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。