Google広告を活用したプロモーションを成功させるためには、正確なターゲットユーザーを特定し、興味や関心に合わせた広告を配信することが必要です。
そのために役立つのが、Google広告の「アフィニティセグメント」です。
アフィニティセグメントは、ユーザーのGoogleでの行動や興味に基づいてユーザーを特定のカテゴリに分類する機能です。
Googleは膨大なデータと機械学習アルゴリズムを活用して、ユーザーのオンライン行動パターンを分析し、アフィニティセグメントを作成します。
例えば、ユーザーが「二輪 / 四輪」、「スポーツ」、「ファッション」といった特定の興味や嗜好を持っている場合、それに基づいてユーザーをグループ分けします。
実際に株式会社IDOMは、アフィニティセグメントで自動車に関心の高いユーザーグループを絞り込み、それらのユーザーに向けて実店舗への来店を喚起しました。
その結果、検索回数が202.3%上昇し、平均来店単価はチラシの16%まで軽減することができました。
アフィニティセグメントを活用することで、広告の効果を最大化し、マーケティングキャンペーンの成功につなげることができます。
本記事では、アフィニティセグメントのメリットや活用方法などを解説していきます。
関連記事:『ターゲティング広告とは?6種類と仕組みをわかりやすく解説! | Union Media』
参考:『チラシからYouTube動画広告へ-来店単価を大幅に削減したIDOMの事例|Think with Google』
Contents
アフィニティセグメントとは
アフィニティセグメントとは、ユーザーの興味や関心、習慣などに基づいて、特定のカテゴリに関心があるユーザーへ広告配信ができるターゲティング機能です。
例えば、自動車を販売しているとします。
自動車が大好きなユーザーにアプローチするには「高性能車、高級車マニア」といったアフィニティセグメントを追加し、自動車に関するキーワードと組み合わせます。
これによって、自動車を探しているユーザーだけでなく、自動車を愛するユーザーにもアプローチすることができます。
アフィニティセグメントでは、自社の商品やサービスに強い関心を持つユーザーに広告を配信して、ブランドの認知度と購入意欲を高めることができます。
参考:『アフィニティセグメントについて|Google広告ヘルプ』
アフィニティセグメントの仕組み
アフィニティセグメントは、Googleが作成した興味関心カテゴリであり、ユーザーの行動データに基づいて分類されます。
Googleは、ユーザーの行動データを集めるために、Cookie※やデバイスIDを使用します。
ユーザーのサイト閲覧履歴、検索クエリ、クリック履歴などの行動データを基に、ユーザーが関心を持っている可能性のあるカテゴリを特定します。
ただし、これはGoogleが自動的に興味関心を予測するものであり、完全に正確な情報を提供するものではありません。
したがって、広告主は他のターゲティングオプションや広告効果測定などを組み合わせて広告キャンペーンを最適化することが重要です。
参考:『データセグメントに関してプライバシーポリシーに記載する必要がある情報|Google広告ヘルプ』
関連記事:『【初心者向け】アクセス解析の用語13選!マーケティングの基本を解説』
アフィニティセグメント一覧
アフィニティセグメントは、以下の大カテゴリから選択することができます。
銀行、金融 | ライフスタイル、趣味 | スポーツ、フィットネス |
美容、健康 | メディア、エンターテイメント | テクノロジー |
フード、ダイニング | ニュース、政治 | 旅行 |
家庭、園芸 | ショッピング好き | 乗り物、交通機関 |
小カテゴリを含めると全部で100種類以上のカテゴリがあります。
例えば、大カテゴリの「スポーツ、フィットネス」には「野球ファン」「サッカーファン」などの小カテゴリが含まれ、ユーザーの興味関心を詳細に絞り込むことが可能です。
参考:『アフィニティセグメントのターゲティング|ディスプレイ&ビデオ360ヘルプ』
利用可能なキャンペーン
アフィニティセグメントが利用できるキャンペーンは下記の通りです。
- 検索キャンペーン
- ディスプレイキャンペーン
- 通常のショッピングキャンペーン
- 動画キャンペーン
- Gmail
- ディスプレイ&ビデオ360
アフィニティセグメントはユーザーの興味関心に基づいて広告を配信します。
そのため、興味関心が強く反映されるYouTubeの動画キャンペーンでは、より確度が高いユーザーへの広告配信が可能になります。
実際に、株式会社ヴァリューズの調査によると、多くのユーザーがYouTubeを「好きなエンタメを見るため・関連情報を得るため」(41.9%)として利用しています。
つまり、商材がスポーツ用品であればテクニック動画、化粧品であればメイク動画などに配信することで、より効果的にターゲットユーザーにアプローチすることができます。
弊社では、成果にこだわる広告動画制作というサービスを展開しております。
もしYouTubeの動画制作や運用でお困りでしたら是非お気軽にご相談ください。
参考:『【調査リリース】YouTube利用動向調査|株式会社ヴァリューズのプレスリリース』
参考:『アフィニティセグメントについて|Google広告ヘルプ』
アフィニティセグメントのメリット
ターゲットユーザーへのピンポイントな広告配信ができる
引用:『Pocket Gems』
アフィニティセグメントは、特定のカテゴリに関心を持つグループを特定し、関連性の高い広告を配信することができます。
実際に、モバイルゲーム会社Pocket Gemsは、アフィニティセグメントを活用して、動画アプリ広告のプロモーションを展開しました。
具体的に「ファッショニスタ」、「美容マニア」、「恋愛映画やドラマ好き」といった関連性の高いアフィニティセグメントを指定して、アプリのターゲットを絞り込みました。
ターゲットユーザーに向けて適切な広告を配信することが可能になった結果、YouTube経由でアプローチしたユーザーの生涯顧客価値が50%向上しました。
このように、アフィニティセグメントを活用することで、関連性の高い広告をターゲットユーザーにピンポイントで配信することができます。
参考:『機械学習がアプリマーケティングにもたらすインパクト|Think with Google』
効果的な予算配分ができる
アフィニティセグメントを利用することで、効果的な広告予算配分が可能になります。
特定のターゲットユーザーに広告を集中的に配信することで、予算を無駄なく使いながら効果的な広告キャンペーンを実施することができます。
例えば、特定の商品やサービスに興味を持っているユーザーグループに広告を配信する場合、アフィニティセグメントを使用することでそのターゲットユーザーに絞った広告キャンペーンを展開することができます。
これにより、広告費をターゲットユーザーに集中的に配分することができます。
広告予算は限られたリソースですので、興味のないユーザーに広告を表示しても効果が得られません。
アフィニティセグメントを活用して、効果的な予算配分を行いましょう。
なお想定よりも広告の予算消化が順調に進まない場合はターゲティング以外の可能性も考えられます。
適宜設定の確認、変更を行いましょう。
参考:『Google 広告のキャンペーンで広告が掲載されない、またはトラフィックが少ない場合の対処方法』
認知拡大に効果的
アフィニティセグメントは認知拡大に効果的です。
実際に、積水ハウスはYouTube広告でアフィニティセグメントを活用して、「不動産への関心度」の高いグループへの認知拡大を促進しました。
引用:『「テレビ画面」でも関心層へのリーチと PDCA ——積水ハウスのコネクテッドテレビ広告に学ぶ』
その結果、広告接触者の広告想起率が非接触者と比べて+12.7%(25歳~34歳)、+9.0%(35歳~44歳)向上しました。
さらに、高い効果が見られた「不動産関心層」について分析したところ、事前には想定していなかった「ペット愛好家」「フィットネス好き」といったアフィニティの反応率が高く、配信拡大の余地があることがわかりました。
つまり、広告で伝えたいと考えていた「部屋の広さと耐震性の両立」と、それらのアフィニティを掛け合わせることで、より効果的な訴求が可能になり、広告想起率の向上につながる可能性があるのです。
例えば、「広い家でペットも人も気持ちよく過ごせるシーン」を描くことで、不動産への関心度が高い「ペット愛好家」へのアプローチが可能になるかもしれません。
このように、アフィニティセグメントを活用することで、新たな配信領域を把握し、認知拡大につなげることができます。
参考:『「テレビ画面」でも関心層へのリーチと PDCA ——積水ハウスのコネクテッドテレビ広告に学ぶ|Think with Google』
アフィニティセグメントの活用方法
アフィニティセグメントの活用例を以下に挙げます。
・広告主が映画製作会社で、最新のアクション映画のプロモーションを行っている場合に、「アクション映画派」というアフィニティセグメントをターゲットに設定します。
・広告主が化粧品会社で、「エコ」に関連した商品ラインのプロモーションを行っている場合に、「環境問題に熱心」「メイク好きの女性」をターゲットに設定します。
・自動車レースのスポンサーとなっているファストフード会社の提携広告を配信している場合に、アフィニティセグメントを使って「高性能車マニア」に該当するユーザーに広告を表示します。
一方で興味があるだけでは即座に購買や利用につながるわけではないため、リマーケティングリストなどの”今すぐ客”に比べて需要が隠れています。
重要なのは、アフィニティセグメントでのユーザーの接触を無駄にしないことです。
例えば、アフィニティセグメントへの広告配信でクリックしたユーザーに対して別のキャンペーンでリマーケティングを行ったり、認知から需要喚起へと導くために検索広告を活用し、検索広告向けリマーケティングリストを活用するなどの戦略が有効です。
また、アフィニティセグメントは検索広告ではリーチできなかった層に新たに接触できる可能性があります。
そのため、コンバージョンの評価指標としてビュースルーコンバージョン※を考慮し、コンバージョンの起点となった回数を評価することで、アフィニティセグメントの貢献度を可視化することができます。
アフィニティセグメントの設定方法
新規キャンペーンの場合
新規キャンペーンでアフィニティセグメントを設定する方法をご紹介します。
まずはGoogle広告にログインします。
➀新しいキャンペーンを作成する
管理画面左メニューから「キャンペーン」を選択し、+ボタンをクリックし新しいキャンペーンを作成します。
➁キャンペーン目標とキャンペーンタイプを選択する
キャンペーン目標と、キャンペーンタイプをそれぞれ選択します。
③「オーディエンスの作成」をクリックする
広告グループの設定から「オーディエンスの作成」をクリックします。
④「アフィニティ」を選択して完了
「興味/関心と詳しいユーザー属性」≫「閲覧」から「アフィニティ」を選択して完了です。
既存キャンペーンを編集する場合
次に既存キャンペーンでアフィニティセグメントを設定する方法をご紹介します。
➀Google 広告にログインする
引用:『Google広告』
まずは Google 広告にログインします。
②管理画面左メニューから「オーディエンス」を選択する
管理画面左メニューから「オーディエンス」を選択し、「オーディエンスセグメントの編集」クリックします。
③編集するキャンペーンまたは広告グループを選択する
編集するキャンペーンまたは広告グループを選択します。
④オーディエンスセグメントを編集する
オーディエンスセグメントを編集し、「保存」をクリックして完了です。
アフィニティセグメントはGoogleアナリティクスで確認できる
引用:『ユーザー属性とインタレストカテゴリに関するデータを分析する|アナリティクスヘルプ』
Googleアナリティクスでは、アフィニティセグメントのユーザー構成比率を確認することができます。
CV数の最も多いカテゴリを特定したり、各カテゴリの詳細から年齢と性別に関する分析を行なうことができます。
例えば「美容、健康」というカテゴリには、25~34 歳のユーザーが利益の大部分を占めていて、CV率も最も高いといったことを把握することができます。
関連記事:『Googleアナリティクス4の特徴は?設定と6つの注意点を解説 | Union Media』
アフィニティセグメント×他のターゲティング
アフィニティセグメントは他のターゲティングと組み合わせることができます。
ユーザー属性と組み合わせ
ユーザー属性(年齢、性別、子供の有無、収入など)とアフィニティセグメントを組み合わせることで、より具体的なユーザーグループをターゲティングできます。
例えば、ローソン100では、節約志向が高いアフィニティセグメントを選択し、性別・年齢別にクリック率の高いバナー広告を配信しました。
引用:『チラシからオンラインへ-ローソンストア-100-の事例から学ぶ|Think with Google』
その結果、男性25~54歳には麺類(パスタソース )が好まれているのに対し、女性35~64 歳にはしょうゆやつゆ(鍋つゆ)、パン等家族向け商品が好まれていたことがわかりました。
性別・年齢・興味関心に合わせたメッセージを届けることで広告効果を高めることができます。
参考:『ユーザー属性ターゲティングについて – Google 広告 ヘルプ』
参考:『チラシからオンラインへ-ローソンストア-100-の事例から学ぶ|Think with Google』
トピックと組み合わせ(人×枠)
トピックは、特定のトピックやテーマに関連するWebサイトやコンテンツに広告を表示する方法です。
アフィニティセグメントとトピックを組み合わせることで、人だけではなく配信枠を絞り込むことができ、広告効果の向上を図れます。
例えば、スポーツウェアブランドが新しいランニングシューズを広告宣伝したいとします。
まず、アフィニティセグメントを活用して、ランニングやフィットネスに興味を持つユーザーを特定します。
次に、ランニングやマラソンに関連するトピックを選択します。
これにより、ランニングやフィットネスに関心のあるユーザーが頻繁に訪れるWebサイトやブログに広告を配信することができます。
参考:『トピック ターゲットについて – Google 広告 ヘルプ』
キーワードとの組み合わせ(人×枠)
キーワードターゲティングは、特定のキーワードに関連するコンテンツやサイトに広告を表示する方法です。
アフィニティセグメントとキーワードターゲティングを組み合わせることで、よりカスタマイズ性の高いターゲティングが可能になります。
例えば、アフィニティセグメント「音楽ファン」にキーワード「ライブコンサート」を組み合わせることで、ライブコンサートに関心のあるユーザーに対して広告を表示することができます。
参考:『キーワードによるコンテンツ ターゲット – Google 広告 ヘルプ』
カスタムセグメントとは
カスタムセグメントは、Google広告のターゲティングオプションの一つです。
カスタムセグメントを使用すると、入力した関連性の高いキーワード、URL、アプリを基に、カスタマイズしたカテゴリを作成し、そのカテゴリに属するユーザーに広告を表示することができます。
例えば、健康食品を販売している企業が、「フィットネス愛好家」ではなく、「ヴィーガンダイエットを実践している人」に広告を表示したい場合、カスタムセグメントを次のように設定することができます。
- キーワード:ヴィーガンダイエット、植物ベースの食事、ヴィーガンレシピ
- URL:ヴィーガンダイエットに関するブログやWebサイトのURL
- アプリ: ヴィーガンレシピや健康食品に関心のあるユーザーが使用していそうなアプリ
カスタムセグメントは、リーチ・比較検討・掲載結果といったキャンペーンの目標と入札戦略に基づいて、オーディエンスが選択されます。
特定のキーワードや関連するWebサイトのURLを指定することで、ユーザーの意図やニーズに合致する広告を配信することができます。
また、競合他社のキーワードを設定することも可能であり、自社と競合関係にある商品やサービスに対してもアプローチすることができます。
他のターゲティングオプションと組み合わせて使用することもでき、さまざまなターゲット層を細かく設定することが可能です。
参考:『カスタムセグメントについて|Google広告ヘルプ』
まとめ
この記事を読んで、アフィニティセグメントの最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、Google広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
薬機法医療法遵守広告代理店の認証を受けておりますので、広告審査の厳しい薬事・医療系も対応可能です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。