Webサイトを閲覧中に、画面を遮るように表示されるバナー広告を不快に感じた経験がある方は多いのではないでしょうか。
広告を出稿する際は、なるべくユーザーに不快感を抱かせず、自然な形で表示することが大切です。
WebメディアやSNSなどが普及したことにより、各プラットフォームのコンテンツに馴染む「ネイティブ広告」を目にする機会が増えました。
今回は、ネイティブ広告の特徴や種類、メリットやデメリットを解説します。
さらに、魅力的なネイティブ広告を作るためのポイントについてもご紹介します。
導入を考えている方や、潜在層へのアプローチ方法を探している方は必見です。
ネイティブ広告を検討するにあたり、運用型のWeb広告全般についてもぜひ知っておきましょう。
関連記事:『運用型広告の種類7選!【本当に効果のある広告はどれ?】』
Contents
ネイティブ広告とは
まずはネイティブ広告の特徴をご説明します。
ネイティブ広告とは、WebサイトやSNSで従来のコンテンツに溶け込んで表示される広告を指します。
体裁がほかの記事に近しいため、いわゆる「広告感」が薄いのが特徴です。
記事コンテンツが掲載されているWebメディアやニュースサイト、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)といったSNS、動画配信サイトなど、さまざまなプラットフォームにネイティブ広告が掲載されています。
たとえばInstagramのタイムラインには、他の投稿に並んで広告が流れてきます。
広告の見た目を一般的な投稿に合わせているため、不快感を与えることなく、サイトを閲覧するユーザーに対して自然な形で訴求できます。
ステルスマーケティングとの違いは?
ステルスマーケティング(以下ステマ)とは、実態は広告であるにもかかわらず、そうではないように見せて商品・サービスのPRをする行為です。
「企業から報酬を受け取っていることを明示せずに、インフルエンサーがSNSで商品のPR投稿を行う」などはステマに該当します。
2023年には「景品表示法」で不当表示にあたる項目にステマが追加されました。
そのため、ステマは違法となります。
ネイティブ広告は他のコンテンツと馴染む形で配信されますが、ユーザーの誤認を回避するため「PR」「広告」といった文言を付けて、広告であることを明示します。
参考:『令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。』
Web広告を出稿するうえで知っておきたい景品表示法。以下の記事では、不当表示の事例を交えて解説しています。
関連記事:『【基礎】景表法に違反した場合どうなる?10の事例で解説』
ネイティブ広告6つの分類
アメリカのネット広告業界団体IAB(Interactive Advertising Bureau)では、ネイティブ広告を以下の6つの型に分類しています。
- インフィード型
- 検索連動型
- レコメンドウィジェット型
- プロモートリスティング型
- ネイティブ要素を含むインアド型
- カスタム型
参考:『ネイティブ広告(ネイティブアド)とは?メリットや種類を徹底解説』
ここでは、それぞれの特徴をみていきましょう。
インフィード型
Webメディアのコンテンツと並んで表示される記事タイプの広告や、SNS広告などがインフィード型に分類されます。
通常のコンテンツに溶け込んでいるので、あからさまな広告に抵抗があるユーザーにも受け入れられやすいという利点があります。
Webメディアのコンテンツに並んで表示されているパターン
引用:『BRUTUS.jp』
こちらは、カルチャー系のWebメディアに掲載されている記事タイプのネイティブ広告です。
クリックすると、以下のPR記事に遷移します。
引用:『ノンアルでも、こんなにバーなんです。小川あんと鈴木健太が訪れた、渋谷〈THE 5th by SUMADORI-BAR〉』
内容は、洗練されたカルチャーを好む読者層の興味を引きつけやすい、おしゃれなノンアルコールバーについて紹介するコンテンツとなっています。
このように、自社の商品・サービスと親和性の高いユーザーが集まるメディアに掲載することで、潜在層へのアプローチが可能です。
SNSに掲載されているパターン
引用:『Instagramに掲載できる広告の種類』
InstagramやFacebook、Xなどのプラットフォームに掲載されるインフィード広告は、オーガニック投稿と並んで表示されます。
たとえばInstagramのフィード広告は、タイムラインに流れる投稿の間に配置されるのが特徴。
ほかのポストを閲覧するのと同じ感覚で広告を見てもらうことができます。
広告をクリックすると、商品やサービスを購入できるランディングページや公式サイトに遷移します。
以下の記事では、インフィード動画広告を使って自社のYouTubeチャンネルの登録者数を増やす方法をご紹介しています。
関連記事:『インフィード動画広告でYouTubeチャンネル登録者数を増やす際の4つの注意点』
検索連動型
引用:『Google』
検索連動型は「リスティング広告」と呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでサーチをした際に検索結果画面の上部に出現する、テキスト形式の広告を指します。
通常の検索結果に体裁を合わせて表示されるため、こちらもネイティブ広告に分類されます。
ユーザーが検索したキーワードに関連のある広告が表示されるため、すでにニーズが顕在化している層へのアプローチに適しています。
検索連動型の広告で成果を上げるためには、自社の商品・サービスにマッチしたキーワードの選定や魅力的な広告文の作成が必須です。
以下の記事では、リスティング広告を運用する際のポイントを解説しました。
関連記事:『Googleリスティング広告で効果を上げるための10のポイント』
レコメンドウィジェット型
引用:『朝日新聞デジタル』
レコメンドヴィジェット型は、ユーザーが閲覧しているコンテンツに関連度の高い「この記事もおすすめ」や「関連記事」などのレコメンド枠のなかに出現します。
記事と関連度の高い広告が表示されるのが特徴です。
たとえば上記の画像は、「ブロッコリーが『指定野菜』に追加された」という食品関連の記事に関連するニュースの一覧であり、広告も食品の話題と親和性の高い健康に関するものです。
ページの下部に表示される場合が多いため視認性は低いものの、記事を最後まで読んでいる、いわばモチベーションの高い層に見てもらえる可能性があります。
参考:『ブロッコリーが「指定野菜」に昇格へ ジャガイモ以来、約半世紀ぶり』
プロモートリスティング型
引用:『Amazon』
「Amazon」や「食べログ」といったサイトで情報をリサーチした際、検索結果に並んで出現するのがプロモートリスティング型のインフィード広告です。
ユーザーの検索キーワードにマッチする商品広告などが表示され、クリックするとプラットフォーム内にある該当商品や店舗の詳細ページに遷移します。
そこから購入や予約ができる仕組みです。
ほかの商品情報と同じ体裁をとっていますが、「スポンサー」などの表記があり、広告だとわかるように掲載されています。
以下の記事では、Amazonのスポンサー広告の特徴や出稿方法を解説しています。
Amazon内での自社の商品のプロモーションを検討しているなら要チェックです。
関連記事:『Amazonスポンサー広告とは?3種類の出稿方法やメリットを紹介!』
ネイティブ要素を含むインアド型
ネイティブ要素を含むインアド型は、日本ではまだ導入数が少ないネイティブ広告です。
IABのフォーマットに沿ったディスプレイ広告の配信面に、配信先のWebページ内のコンテンツと関連のある広告が表示されるのが特徴です。
例えば、配信先が車のWebマガジンの場合、車検やタイヤ販売の広告が表示されるといったイメージです。
参考:『マーケティング用語集 (ネイティブ要素を持つ)インアド型』
カスタム型
ここまでご紹介した5種類のネイティブ広告のいずれにも当てはまらないものは、カスタム型に分類されます。
カスタム型のネイティブ広告の例として、以下が挙げられます。
- 企業が無料で配布するLINEスタンプ
- 音楽配信サービスで企業が提供するプレイリスト
参考:『ブランドプレイリスト=“ブランド独自のミックステープ”を作る』
たとえばこちらは、音楽配信サービス「Spotify」でフレグランスブランドが提供するブランドプレイリストです。
引用:『Spotify』
ブランドの世界観を表現するプレイリストを作ることで、ファン以外の層にも認知が広がります。
今後も、さまざまな形式のカスタム型ネイティブ広告が登場すると予想されます。
参考:『ネイティブ広告(ネイティブアド)とは?メリットや種類を徹底解説』
参考:『ネイティブ広告とは?種類・費用・作り方を解説』
ネイティブ広告のメリット
さまざまな種類があるネイティブ広告ですが、導入することで具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、ネイティブ広告の利点をご紹介します。
ユーザーに受け入れられやすい
「2.ネイティブ広告6つの分類」で解説したように、ネイティブ広告は掲載先のプラットフォームのコンテンツに溶け込むように表示されるのが特徴です。
そのため、ユーザーの閲覧を遮ったり、不快感を持たれたりする可能性が低いというメリットがあります。
さらに、ユーザーが興味を持って見ているメディアに掲載されるため、広告への先入観や抵抗感が低い状態でアプローチが可能です。
また、広告の形式も6種類に分類されており、商品の特性に合わせて訴求方法を選べるところも大きなメリットです。
ネイティブ広告の使い分けの一例
- 潜在的なニーズがある層を自社のWebサイトに誘導したいならインフィード型
- 売り上げに直結させたいならプロモートリスティング型でAmazonに出稿
- 具体的に購入を検討している層に見てもらうなら検索連動型
広告感が薄い自然な訴求をしたい場合、ネイティブ広告が適しています。
潜在ニーズをもつ層にアプローチできる
自社の商品・サービスと親和性の高いメディアにネイティブ広告を掲載することで、潜在的にニーズがある層へのアプローチが可能です。
たとえば化粧品を扱う企業の場合、美容に関心のある女性が多く閲覧すると予想されるファッション系のWebメディアに広告を出稿すれば、自社のターゲットに近いユーザーに見てもらえるでしょう。
また、InstagramやFacebookをはじめとするSNS広告や、Google広告、Yahoo!広告などのプラットフォームには、ユーザーの属性や興味・関心に基づいた絞り込み(ターゲティング)機能があります。
ターゲティングを活用すれば、狙いたい層や顧客になる可能性が高い層への訴求ができます。
参考:『ネイティブ広告(ネイティブアド)とは?メリットや種類を徹底解説』
SNS広告のターゲティング機能について知りたい方は、ぜひこちらを参考にしてみてください。
関連記事:『Instagram広告運用の鍵!3種類のターゲティングを解説
記事コンテンツの形式で商品・サービスの魅力を訴求できる
ネイティブ広告の遷移先は、PR記事やランディングページといった記事コンテンツになっています。
記事コンテンツでは、文章や画像を使って自社の商品・サービスの魅力を詳細に紹介できます。
既に商品・サービスに興味を持ったユーザーが広告クリックをしているため、コンテンツの内容を読んでもらいやすくなっています。
ネイティブ広告の注意点
ネイティブ広告は掲載先のメディアやプラットフォーム通常のコンテンツに近い形で訴求できるため、広告感が強すぎる文言や画像を使用するのは逆効果です。
掲載先のトンマナに合わせ、抵抗感なく閲覧できる広告を作りましょう。
また、各メディアやプラットフォームに合わせて広告を制作するので、出稿の手間がかかる点にも注意が必要です。
少ないリソースで広告を運用している場合は、出稿先を絞ったスモールスタートをおすすめします。
参考:『ネイティブ広告(ネイティブアド)とは?メリットや種類を徹底解説』
魅力的なネイティブ広告を作るコツ
ネイティブ広告で効果を上げるためには、魅力的なコンテンツを制作することが重要です。
広告を作るにあたって押さえておきたいポイントを解説します。
商品・サービスにマッチした媒体を選定する
訴求する商品・サービスと広告の掲載先をマッチさせることが大切です。
「2-1.①インフィード型」でご紹介した、ノンアルコール飲料を提供するバーの記事広告は、おしゃれなお店やグルメに感度の高いユーザーに閲覧されるカルチャー誌のWebメディアに掲載されています。
また、コスメやファッションのようなビジュアルで訴求するアイテムはInstagramなどの画像メインのSNS、旅行のツアーパッケージのPRなら臨場感のあるYouTube動画広告など、商材とプラットフォームの相性も考慮しましょう。
ターゲットに合わせた広告を作る
ネイティブ広告を出稿する際は、ターゲットとなるユーザーが受け入れやすい広告デザインを心がけましょう。
ファッションや美容に興味を持つ20代の女性と、ウェルネスに関心の高い50代の男性では、好まれるデザインや見出しのトーンが異なります。
自社が狙いたい層にあわせた広告を作ることが重要です。
広告を企画する際は、ペルソナを明確にするのがおすすめです。
ペルソナとは、自社の商品・サービスを利用する典型的なユーザー像を指します。
ペルソナが固まっていれば、出稿先の選定から広告クリエイティブの制作まで、ターゲットをぶらすことなく進行できます。
ペルソナの設定については、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:『ペルソナがなぜ重要なのか?LPの効果を高める作り方とポイント3選!』
広告とリンク先の内容を一致させる
ユーザーの興味を引きつけるためには、魅力的なキャッチコピーやクリエイティブが欠かせません。
一方で、広告の内容とリンク先のランディングページやWebサイトの内容がかけ離れている場合、ユーザーに不快感を与えて離脱を促してしまいます。
広告で訴求している内容と商品・サービスの実態を一致させたうえでコンテンツを作ることを心がけましょう。
参考:『ネイティブ広告とは?種類・費用・作り方を解説』
参考:『ネイティブ広告とは?消費行動モデルに基づいて活用方法を徹底解説』
以下の記事では、広告文を作成する際のコツをご紹介しています。
関連記事:『【初心者向け】成果を上げる広告文の作り方と8つの訴求軸を解説』
まとめ
この記事を読んで、ネイティブ広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
株式会社Unionは、ネイティブ広告を含むリスティング広告運用のご相談を承っております。
Google広告、Yahoo!広告の正規代理店として認定されており、蓄積されたノウハウから短期間で課題を解決に導きます。
また、弊社の広告運用担当はYahoo!広告、およびGoogle広告の認定資格保持者であり、知識のアップデートを行っております。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。