YouTubeを利用する日本国内のユーザーは、インターネットユーザー約10,078万人のうちの約8割を占めており、およそ7,800万人以上が利用しています。
そんなYouTube広告には、出稿前に審査があることはご存じでしょうか。
審査に落ちてしまうとYouTubeに広告を配信することができず、思ったようにリードやお問い合わせを獲得できない場合があります。
本記事では、YouTubeの動画広告について、広告の審査とその概要、審査の基準を中心に解説しています。
参考:『【2023年最新】アジア11カ国のYouTube利用ユーザー数』
参考:『2022年度SNS利用動向に関する調査』
関連記事:『YouTube動画を含めた市場規模はいくら?動画広告の4つのメリット』
Contents
YouTube広告の審査とは
YouTubeへ広告を出稿する際、サービス元であるGoogleによる広告の審査が行われます。
Googleのポリシーに合っているか、入稿規定に即しているかといった基準で、ユーザーへ届けるのに相応しい広告かをチェックしています。
YouTubeで審査を通過するまでの流れ
YouTubeで審査をクリアして動画広告が掲載されるまでの流れをご紹介します。
動画をYouTubeにアップ
引用:『YouTube 動画をアップロードする』
広告用の広告クリエイティブの動画を一般公開あるいは限定公開でYouTubeにアップします。
動画キャンペーンに動画を入稿
登録されているGoogle広告アカウント内において、動画キャンペーンを作成し、先ほどアップロードした動画のURLを添付して入稿します。
審査が行われる
ステータスが「審査中」に自動的に変わり、数時間から数日間で審査が行われます。
広告の配信
引用:『YouTube 動画をアップロードする』
審査の結果、コンテンツに問題がなければYouTube広告は配信可能な状態になります。
参考:『YouTube広告で審査に落ちないためのチェックポイント|よくある審査落ち事例と対処法』
参考:『YouTube広告には審査がある!承認されない理由・承認後に表示されない理由を紹介』
審査の概要
YouTube広告の審査は、Googleの設定しているポリシーに準じているかをチェックしています。
その審査では、Google広告共通のポリシーと、動画広告の要件という2つの指標について審査がなされます。
以下に審査の概要を解説します。
審査対象
広告内の様々なコンテンツが審査の対象になります。
具体的には、動画や広告見出し、説明文やリンク先などが含まれます。
審査期間
広告を出稿して基本的には1営業日以内に審査は完了します。
しかし、場合によっては2営業日以上に渡り審査が行われることもあります。
数日経っても審査の結果が通達されない際にはGoogle広告に直接問い合わせをして確認することが勧められます。
審査タイミング
審査のタイミングは、広告の出稿後になり、自動でGoogle側によって審査がなされます。
入稿後にコンテンツの編集を行い、出稿時から変更が加わった場合に関しては、審査が最初からやり直しになるので注意が必要です。
審査ステータス
広告の審査の結果は以下の通りです。
審査ステータス | 配信可否 | 説明 |
承認済み | 配信可能 | 設定したターゲットに対して配信可能 |
承認済み(制限付き) | 配信可能(制限あり) | 一部の対象に対して配信不可*1 |
承認済み(地域制限付き) | 配信不可 | 一部地域に対して配信不可*2 |
参考:『YouTube広告の審査に通過する方法!審査落ちの原因・対処法も解説』
参考:『YouTube広告で審査に落ちないためのチェックポイント|よくある審査落ち事例と対処法』
YouTube広告の審査に落ちる理由
YouTube広告の審査が落ちる理由は、大きくGoogleのポリシーに違反することと、動画広告の要件に準拠していないことの2つの要素に分けられます。
参考:『YouTube 広告の要件』
Googleのポリシーに違反
引用:『Googleポリシーと規約』
Googleのポリシーに関して、注意するべきポイントは3つあります。
- 広告コンテンツのポリシー
- リンク先ページの問題点
- 編集基準
参考:『YouTube 広告の要件』
参考:『YouTube広告の審査に通過する方法!審査落ちの原因・対処法も解説』
広告コンテンツのポリシー
禁止コンテンツ
Googleによって定められている「禁止コンテンツ」は、Googleのネットワークで宣伝を行うことを禁止しているコンテンツを指しており、広告の審査をする上で重要な指標になります。
禁止コンテンツの項目とその内容は下記にある通りです。
偽造品 | 他の商標と同じもしくは、ほぼ区別をつけることのできないロゴや商標を用いた商品 |
危険な商品・サービス | 他社に損害や危害を加えてしまうような商品・サービスの宣伝(危険ドラッグ、武器及び兵器、爆薬や花火、たばこの関連商品など) |
不正の助長を行う商品・サービス | 不正行動の実現やそれを助長するような商品やサービス(ハッキング関連、偽造文書、受験代行サービスなど) |
配慮が欠如した不適切なコンテンツ | 偏見や差別的な内容で不快感を与える内容(人種差別に関連したツールや、個人または団体を対象に脅しやいじめとなるコンテンツ、犯罪や虐待などの衝撃的な画像) |
禁止行為
広告掲載にあたり禁止されている手法として「禁止行為」も定められています。
禁止行為の項目とその内容は下記にある通りです。
広告ネットワークの不正利用 | 広告の審査プロセスを回避するような広告、リンク先やコンテンツの利用(クローキング*1やマルウェアを含んだコンテンツに関する宣伝など) |
データ収集と利用 | 広告を用いてユーザーの情報を不正に利用することや、安全対策をせず、目的を隠したままユーザー情報を収集すること(脆弱性のあるサーバーを利用したクレジットカード情報の利用や、特定のユーザーの情報を把握したうえで行う宣伝など) |
不実表示 | ユーザーを騙す、誤解を招くような情報をコンテンツとして含む広告やリンク先のページ(必要な情報をわかりにくくする行為、支払い情報を省く行為、有名企業に成りすます行為など) |
制限つきのコンテンツ
引用:『Google 広告のポリシー』
広告の掲載が可能でも、一部コンテンツの種類によって制限が付けられる場合があります。
制限が設けられているコンテンツを以下に列挙します。
- 性的なコンテンツ
- アルコール
- 著作権
- ギャンブルやゲーム
- ヘルスケア、医薬品
- 政治に関するコンテンツ
- 金融サービス
- 商標
- 法的要件
などになります。
参考:『Google 広告のポリシー』
参考:『YouTube広告の審査に通過する方法!審査落ちの原因・対処法も解説』
参考:『YouTube広告で審査に落ちないためのチェックポイント|よくある審査落ち事例と対処法」』
リンク先ページの問題
リンク先ページもYouTube広告の審査対象になります。
リンク先ページについて審査される項目とその内容は以下の通りです。
リンク先の利便性
引用:『リンク先の要件』
広告のリンクに関して、ユーザーがクリックした際に安全でかつ操作しやすいものである必要があります。
問題の例としては、ブラウザの「戻る」ボタンが押しにくいものや無効になっている、リンクのクリックによって広告から直接ダウンロードが開始される、リンク先が不正なコンテンツを含むなどが挙げられます。
独自コンテンツの不足
引用:『リンク先の要件』
Googleでは広告のリンク先ページには、ユーザーにメリットを与えるような独自の情報を含んでいる必要があります。
問題の例には、リンク先のコンテンツが広告表示を目的としたものであること、ユーザーをその他の別へと誘導することを目的としたリンク先になっていることなどが挙げられます。
不適切なリンク先
引用:『リンク先の要件』
ユーザーが広告をクリックした際、正確にアプリやWebページに誘導されるようにリンクが反映されている必要があります。
問題の例としては、表示されたURLとユーザーが誘導されるページのURLが一致していないことなどが挙げられます。
アクセスやクロールのできないリンク先
引用:『リンク先の要件』
クロールとは、検索順位の判断に用いられる検索エンジンの情報収集になります。
広告のリンク先では、アクセスとクロールができる必要があります。
アクセスができない例としては、ターゲット地域によってアクセスが制限されている場合があります。
また、クロールができないリンク先の例としては、「robots.txt」といった除外ファイルがあります。
参考:『リンク先の要件』
参考:『YouTube広告には審査がある!承認されない理由・承認後に表示されない理由を紹介』
参考:『YouTube広告の審査に通過する方法!審査落ちの原因・対処法も解説』
編集基準
Google広告はYouTubeを含む広告全般に対して編集の基準を設定しており、テキストの大きさや記号、句読点、画像など細かい項目ごとに基準が設けられています。
以下に注意するべき項目の例とその許可していない内容を紹介します。
スタイルと表現
- 一般的でない綴りや、標準的でない文法を利用している
- 内容自体が不明、もしくは筋が通っていない
- 文字数の制限を過ぎている
句読点と記号
- 広告の見出しで、感嘆符(!)を利用している
- 句読点や記号を繰り返し利用している
- 絵文字や半角カタカナといった無効な文字やサポートされていない文字を利用している
大文字
- アルファベットの大文字を、人目を引くことを目的とした不適切な利用をしている
重複表現
- 名前や語句、フレーズを標準外あるいは、過剰に繰り返している
- 一つのアセット内で同一語句を繰り返している場合や、一つの広告グループやキャンペーン内で同一語句を繰り返し利用している
許可されていないスペースの仕様
- 本来必要なスペースを省略している場合や、逆に余分にスペースを入れている
- 強調することを目的として、過剰にスペースを利用している
電話番号
- 電話番号を広告文の中に直接記載している
ビジネスが不明
- 広告内の宣伝内容の商品やサービス、提供している企業の名前が明らかでない広告とリンク先を使用している
画像の品質
- 画像が横向きや逆さに表示されていたり、選択した画像サイズに対して余白がありスペースの全体が埋まっていない
- 画像が不鮮明、テキストが判別できない画像を使用している
- 点滅やストロボ効果によって広告を見たユーザーが不快感を得る可能性がある
- フレームからはみ出していたり、Webサイトやアプリに画像が侵入してしまう
動画の品質
- テキストの判別ができない場合や、音質が悪い、画像が不鮮明なコンテンツを含む動画を使用している
参考:『Google 広告のポリシー』
参考:『YouTube広告の審査に通過する方法!審査落ちの原因・対処法も解説』
参考:『YouTube広告で審査に落ちないためのチェックポイント|よくある審査落ち事例と対処法』
動画広告の要件
YouTubeで動画広告を配信するにあたり、動画広告の要件も満たしていることが必要です。
その動画広告の要件について以下で解説します。
品質
YouTube広告の品質に関する要件を満たしていないと広告の配信はできません。
品質の要件としては、表記の正確さや明確さに加えて、記号や大文字、小文字の利用法に関する指標があり、画像が不鮮明であったり、ゆがんだりしている、切り抜きが不適切な画像を含んでいると要件を満たしていません。
デリケートなアプリケーション
ソーシャルアプリケーションのうち、アダルトコンテンツを含むアプリや、アプリの主目的が出会いであるものや、交際やデートの補助であるものは要件を満たしていません。
禁止されたカテゴリ
誇張された表現や不正確な表現
引用:『YouTube 広告の要件』
商品やサービスを紹介する際に誇張、虚偽の表現を利用している広告、加えてユーザーが誤解してしまうような表現を含んだ広告は禁止されたカテゴリになります。
引用:『YouTube 広告の要件』
詳細には、金銭に関連する表現や短期間での成功を示唆する虚偽の表現、疾患の治療で誇張した表現や虚偽の内容を含む表現は禁止されています。
攻撃的な表現
引用:『YouTube 広告の要件』
ユーザーに対して攻撃的な表現を利用していたり、不適切なことばを利用している広告は禁止カテゴリとなります。
制度的な差別が含まれる表現や、攻撃的な言葉、わいせつな言葉を含みユーザーに不快感を抱かせる可能性がある広告は掲載できません。
ネガティブな出来事に関するあるいは画像を含む
引用:『YouTube 広告の要件』
該当するコンテンツは以下の通りです。
- 暴力的な描写
- 武器や兵器、違法行為を含んだ犯罪的な内容
- 精神的な苦痛を含んでいる
- 不安感もしくは不快感、嫌悪感をあたえる
- 恐怖を想像させてしまうコンテンツ(負傷や死、衰弱などに関連した内容)
引用:『YouTube 広告の要件』
具体的な例としては、身体的な危害に関与してしまうような危険な行為を助長する広告や、意図的に恐怖心を煽ることを目的としたものや、過度に残酷に作成された動画を含む広告は禁止されています。
不適切なコンテンツ
引用:『YouTube 広告の要件』
ある特定の身体の部位やその健康状態に着目している広告(腹部にある脂肪を拡大した画像など)、裸体や性的内容を含んでいる広告は不適切なコンテンツとされています。
具体的には、血液や臓腑、虫歯が表示された手術や身体の一部が強調されたコンテンツを含む場合や、発疹や体液が映る症状を強調して表示している広告は禁止されています。
また、性的であることを目的としたアダルトコンテンツの広告、露骨や画像、キーワードを使用した出会い系の広告は禁止されています。
参考:『YouTube 広告の要件』
まとめ
本記事では、YouTube広告について、広告の審査とその概要について、審査の基準について解説しました。
この記事を読んで、YouTube広告の最適化が難しいと少しでも感じたら、広告代理店に任せるのも一つの手です。
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監修者
UnionMedia編集部2012年創業、新宿のWebマーケティングに強い広告代理店「株式会社Union」が運営。Webマーケティングの知見を深め、成果に繋がる有用な記事を更新しています。「必要な情報を必要な人へ」をスローガンに、Web広告運用や動画制作など各種Webマーケティングのご相談を受付中。